似たもの同士の協奏曲

 

第一話「両親+両親=大惨事!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

剣道部の合宿が終わってしばらくしたある日。鷹斗はバイトに精を出していた

 

珈琲喫茶『ハンプティ・ダンプティ』

この一風変わった名前の喫茶店が鷹斗のバイト先である

 

カランカラ〜ン♪

 

「「「いらっしゃいませ〜」」」

 

ドアベルに反応して、ウェイトレスの合唱が客を迎える

この店は三年ほど前に開業したばかりの店であるが、珈琲にこだわり抜き、さらには料理も美味い隠れた名店として最近密かに人気が出てきていたりする

 

「鷹斗チーフ、2番テーブルのお客様ホットサンド追加で〜す」

 

「了解」

 

「チーフ、5番テーブルのお客様、モカ、ホット入りまあ〜す」

 

「わかった」

 

十年以上前からある店や、駅前などの大型店と比べればそれほど店内の客足は多くはないが、だからといって少ない訳でもない

むしろ、店の規模やスタッフの数に比べれば多いといってもいいくらいだ

その店内を、数人のウェイトレスの取ってくる注文に対して珈琲を用意し、料理を作っているのは店長と鷹斗である

もちろん、他にも珈琲を淹れる店員、料理を作る店員とそこそこに分業はなされている

しかし、店長と鷹斗の速さと腕前はその中でも群を抜いていた

 

「あ、凛ちゃ〜ん、9番テーブルのお客様のアイスとチキンサンド、出来上がったから持っていってくれるかな〜?」

 

「はい、店長〜」

 

「4番テーブルのコーヒーゼリーも出来上がったから、千鶴ちゃんお願い」

 

「わかりました」

 

「いや〜、忙しいねぇ、鷹斗くん」

 

「そうですね。ところで店長?」

 

「ん?なんだい?」

 

「・・・・・・なんで学生の俺がチーフをしてるんですか?」

 

「またその話かい?」

 

「いや、常識的におかしいでしょう?」

 

「鷹斗くんなら大丈夫さ♪だって、高校生って言ってもほとんど誰も信じてくれないからねぇ?大学生でも通用するよ?」

 

「・・・・・・例え見た目がどうあれ、俺の実年齢は18ですが」

 

「でも、他の人はそんなこと知らないだろう?」

 

「・・・・・・他のバイトたちも知ってますが?」

 

「誰かそのことに不満を言ってきたかい?」

 

「・・・・・・・・・いいえ」

 

「そうだねぇ、じゃあ・・・ウチで一番長く働いてるのは?」

 

「・・・俺です」

 

「一番仕事に慣れてるのは?」

 

「・・・・・・多分俺です」

 

「そうだろうねぇ、なにせ店が出来たときからの常連にしてバイト第一号だからねぇ♪」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「で、チーフっていうのは普通、責任者や一番年季のある店員が務めるものなんだけど・・・・・・年齢のことでは確かに責任者って訳にはいかない。だから私が責任者だ。で、勤務年数及び勤務態度で鷹斗くん以上にこの店のチーフを任せられる程の娘は、今のところいない。じゃあ、自動的に鷹斗くんがチーフになる訳だよねぇ?」

 

「・・・・・・はぁ〜〜〜〜〜・・・・・・・・・・・・」

 

「ほらほら、溜息ついてると幸せがにげるよ?」

 

「・・・・・・誰のせいですか、誰の?」

 

「まぁまぁ、私だってその辺りのことを考えてない訳じゃないさ。『今のところは』鷹斗くんが適任だってだけで♪ちゃんと他の娘が一人前になったらその娘にチーフはお願いするから、ね♪」(・・・・・・・・・鷹斗くん並みに仕事を覚えられる娘ができるまでまだしばらくはかかるだろうけどね♪)

 

「っ!・・・・・・?・・・・・・・・・もう何度目でしょうね?その台詞・・・」(なんだ?今の悪寒は・・・?)

 

「だって鷹斗くんが同じことばかり言うから・・・」

 

「・・・もういいです」

 

「そうそう、仕事中なんだしね♪今はお客様のことだけ考えようか♪」

 

「・・・・・・・・・・・・はい」

 

ちなみに、このような会話がなされている間も、二人の手は休むことなくオーダーをこなしていたりする

・・・・・・・・・どこのコントだ?さらには、この厨房での会話が聞こえていた他のバイトたちは、『まだまだ(鷹斗)チーフみたいにはなれません・・・』と申し訳なくも頼もしく思っていたりする。

 

 

まぁ、それはそれとして

 

 

実は、鷹斗がチーフを務めている最大の理由は、勤務態度や年季以外のモノだったりする

 

それは・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「なあなあ、いいじゃん少しくらい」

 

「あ、あの・・・困ります、私まだ仕事中で・・・」

 

「だから、何時に終わるの?遊びにいこうよ〜」

 

 

急にフロアから聞こえてくる軽そうな声と、困りきった店員の声

 

 

「・・・・・・店長、出てきます」

 

「はいはい、手加減しないでいいからね〜♪」

 

苦りきった顔で向かったフロアでは案の定、軽そうな男にバイトの娘がナンパされているところだった

 

「・・・お客様、そのようなことは他のお客様の迷惑になりますので」

 

「あ、せ、先輩!!」

 

絡まれていた娘は鷹斗の顔を見るなり、鷹斗の後ろに隠れてしまう

 

「っだよ、お前は?邪魔すんな!」

 

とたん、鷹斗に食って掛かるナンパ男

 

「・・・・・・ですから、他のお客様の迷惑に・・・」

 

「あ?関係ねぇだろうが?いいとこなんだから邪魔すんじゃねぇよ!!」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

どこまでも自分勝手なことを言い募る男に、突然何かが飛んでくる

 

 

パッカ〜〜ン♪

 

 

「痛っでぇ!?」

 

男のアタマに命中したもの、それは見るからにギッシリと実の詰まった林檎だった

 

「あらら、見た目が軽いと音まで軽いんだねぇ・・・?」

 

「・・・店長、林檎がもったいないじゃないですか」

 

『店ト客ニ迷惑ヲカケルモノニ人権ハアラズ』、ウチの店訓だよ?」

 

「・・・・・・気持ちはわかりますが、だからって食材を投げなくても・・・もったいないでしょう?」

 

「そうだね、でもそうすると投げるものが包丁とかになるけど・・・?♪」

 

「・・・・・・・・・だから、ものを投げないでください」

 

「っ痛ぇな、なにしやがんだ、このやろう!!それが客に対する態度かよ!?」

 

そんなどこかズレた会話も聞こえていなかったのか、なおも自分勝手なことをいいだす男

そんな男に払う礼儀は、この店内の責任者は誰も持っていなかったりする

 

「・・・・・・客なら客としての礼儀があるだろう。うちの店員に迷惑をかけないで欲しいのだが?」

 

「あぁ!?オレがいつ迷惑かけたってんだよ!?」

 

「・・・・・・・・・・・・そうか」

 

おもむろに落ちた林檎を拾い上げ、そして

 

 

グシャッ

 

 

あっさりと握り潰す

ちなみに、(鷹斗本人にとっては)軽くにらみつけるのも忘れない。・・・素人にはキツすぎるかも知れないが

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」(冷や汗をかいて言葉も出ない)

 

「何か言うことがあるなら聞くが・・・・・・?」

 

「あ、救急車は手配しておくから、遠慮なく殺っていいからね〜〜♪」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!」

 

 

ダダダダダダダダダダダ・・・・・・・・・・・・・・・!!!

 

 

その台詞が聞こえたとたん、男は蒼い顔をしてものすごい速さで逃げ出していった

 

「・・・・・・ふぅ・・・春先は迷惑な連中が増えるから困る・・・・・・・・・・・・」

 

「なんだい、情けないなぁ、散々すごんでおいてあの程度で逃げ出すなんて・・・・・・」

 

そういって電話を切る店長

 

・・・・・・・・・ちょっとマテ?ホントに救急車呼ぼうとしたの?店長?

 

「え?だって言ったじゃないか?『救急車は手配する』って?」

 

・・・・・・・・・いや、そんな当たり前に不思議そうな顔して言うことですか・・・?

 

「気にしない、気にしない♪結局は呼んでないんだからさ♪」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

    作者

そんな電波と店長の会話を他所にこちらでは・・・

 

 

「あ、あの・・・先輩、ありがとうございます・・・・・・・・・!」

 

よほど困っていたのか、絡まれていたバイトの娘は何度も頭を下げていた

 

 

ぽん・・・・・・なでなで

 

 

「気にしなくていい。ああいう連中は嫌いだからな。それよりも、キミに何もなくて良かった」

 

そうしてまるで子どもをあやすように優しく微笑みながら頭を撫でる鷹斗

もちろん、そのバイトの娘は首筋まで真っ赤になっていたりする

ついでに言うなら、その笑顔を見た店中の女性客の顔も真っ赤に染まっていたりする

 

「・・・?顔が赤いぞ?風邪か?」

 

「だ、大丈夫です!はい!!それはもう完璧に!?」

 

「・・・?そうか?ならいいが・・・・・・無理はしないようにな?」

 

「は、はい!!」

 

もちろん、鷹斗が恭也の同類である以上、そんな店内の様子には気付く訳がない

・・・・・・・・・・・・・・・・・・いい加減気付こうよ、朴念仁‘S・・・・・・

 

「はぁ〜〜〜〜・・・・・・・・・鷹斗くん・・・・・・また落としたのかい・・・・・・」

 

「?落とした?・・・・・・・・・あぁ、林檎ですか。すぐに片付けます」

 

「いや、そうじゃなくて・・・・・・・・・・・・はぁあ〜〜〜〜〜・・・・・・夏葉ちゃん・・・ごめんね、またライバルが増えてしまったよ・・・・・・」

 

そうして、今はこの場にいない『娘』に謝る店長

ちなみに、店長の娘さん、『夏葉』と鷹斗は幼馴染だったりする

さらに、こんな台詞が出てくる時点で鷹斗と夏葉の関係も想像できよう

 

「?夏葉がどうかしましたか?」

 

「いや、なんでもないよ、こっちの話・・・(本当に、どうしてこう鈍いのかねぇ?)」

 

「・・・・・・・・・?はぁ・・・・・・?」

 

「・・・・・・コホン。さぁ!!気持ちを入れ替えて働こうか!!まだまだ忙しくなるからね!!」

 

 

「はい!!」

 

 

こうして、自分に向かってくる視線に首を捻りながら鷹斗はバイトを再開するのだった

 

 

さて、そんなバイト終了後

特にやることもなかった鷹斗は家でくつろいでいた

 

 

 

 

鷹斗は『着流し』に『緑茶』、さらに手元には『時代小説』という格好でくつろいでいたのである

 

「・・・・・・・・・・・・ちょっとマテや、そこの高校生」

 

「?いきなりなんだ?親父?」

 

「・・・・・・どこのジジイだ?おまえは・・・・・・?仮にも高校生のする格好か!?それが!!」

 

「いきなり随分な言われようだな・・・・・・なんだ?今更?」

 

「・・・百歩譲って着流しはいいとしよう。楽だしな」

(注:皇家では家の中では着物を着ていることが多いです)

 

「が、だ。おまえの場合・・・趣味が囲碁・将棋・散歩に庭木いじり・・・・・・・・・?もうちっと若者らしいことはできねぇのか?おまえは!?」

 

「(ムッ)人の趣味にまでとやかく言わないでもらおうか?親父・・・・・・?親父こそ人のことが言えるほどいい趣味はしていないだろうが?酒(大吟醸や珍しい地酒)の収集が趣味など、恥ずかしくて口にもできんぞ・・・?」

 

「(ピキ・・・)・・・・・・・・・やるか?鷹斗・・・・・・・・・!」

 

「・・・・・・返り討ちにしてやる!」

 

 

ガキィィィィッ!!

 

 

ドガガガガガ!!

 

 

ごそごそ・・・・・・・・・

 

「お、あったあった♪」

 

そういっておもむろに大吟醸を取り出す母親

 

ってちょっと!?止めなくていいんですか!?

なんか、部屋の中で木刀とは思えない轟音がぶつかりあってんですけど!?

 

「ん?勝手に終わるわよ、いつもの事なんだから。家具とかが壊れるようなら流石に止めるけどネ♪」

 

いや、止められるんだったら、今止めましょうよ!?

 

「だから〜、いつもの事なんだって。試合じゃ滅多に見られないような見物(みもの)なんだから、楽しまないと損じゃない♪」

 

・・・・・・・・・・・・な、なんちゅうお方や・・・・・・・・・

 

「ふふ〜ん、あたしを誰だと思ってんの?バカ騒ぎ命の初子ちゃんよ〜ん?」

 

うわっ、なんか理不尽な説得力が!!?

 

「そんな訳だから、あんたらも飲みなさいな♪」

 

い、いや、自分は遠慮します(作者その1は下戸です)

あ、いただきま〜す(作者その2は付き合うぐらいには飲めます)

 

グビ・・・

 

ぐふぅっ!?

 

ばた〜ん!!

 

うおっ!?その2!?

 

「あら〜、一口で終わり?なっさけないわね〜〜?」

 

うお!?酒臭っ!?一口ではありえんニオイが・・・う、初子さん?あなたナニ飲んでますか!?

 

「え?梅酒よ?ウォッカで漬けた特製だけど」

 

梅酒をウォッカで造るんじゃねぇ〜〜〜〜!!

 

「クセのないウォッカ探すの、苦労したのよ〜〜」

 

人の話を聞かんか〜〜い!!

 

「何よ、うるさいわねぇ・・・あ、終わった〜?」

 

そうのたまう彼女の先には、息を乱した『だけ』の二人がいた

・・・・・・・・・・・・なんであれだけやって怪我一つしてないの?

 

「だから、いつものことだって」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・もういいです

 

「ん?初子、なにクラゲと話し込んでんだ?」

 

「お酒に付き合わせてたのよ♪」

 

「なに!?俺も飲む!!」

 

「はいはい♪」

 

そうして電波(作者)がからんでいることすら無視して、さっきまでの嵐がウソのようにほのぼのした空気が生まれてきたそのとき

 

「あ、そういえば鷹斗に言っとくことがあったんだ」

 

「?なんだ親父?」

 

「来週ぐらいに引っ越すからな。今のうちに荷物まとめとけよ?」

 

「・・・・・・・・・は?今なんと言った?」

 

「だから〜、もうすぐ引っ越すんだってば」

 

「・・・・・・・・・ちょっと待てお袋。そんな話は聞いていないぞ?」

 

「だから今言ってんじゃない」

 

「・・・・・・何で今更引っ越す?俺は今の時期に転校しなければならんのか・・・?」

 

「まさか。引越し先は桜台のほうよ。少し遠回りだけど通えない距離じゃないでしょ?」

 

「・・・そうだな。それぐらいならば」

 

「で、今は春休みだな?部活も休みだな?バイトもないよな?」

 

「・・・そうだが」

 

「っていう訳で明日、引越し先の下見に行くからな。ちゃんとお前も来いよ」

 

「・・・・・・・・・はぁ・・・わかった」

 

「「・・・・・・・・・・・・(ニヤリ)」」

 

 

同時刻・店長宅

 

 

「あ、そうそう夏葉ちゃん?春歌ちゃん?近いうちにお引越しするからネ?」

 

「・・・は?」

 

「わ〜い、お引越しです〜〜♪」

 

「多分、今週中には引っ越すことになると思うから準備しといてね?」

 

「ちょ、ちょっと待ってよパパ!いきなりそんなこと言われても困るわよ!!私、今の時期に転校しなきゃいけないの!?」

 

「ははは、まさか♪折角お店が軌道に乗ってきた所なのにそんな訳ないじゃないか♪」

 

「ええ、春歌ももう小学生でしょう?いつまでも賃貸じゃ狭いかなって」

 

「そうそう、ママの言うとおり♪」

 

「・・・・・・・・・な、ならいいけど・・・一体どこなの?」

 

「あぁ、桜台の方だよ。ちょうどいい物件が売りに出てたんでね。色々蓄えもあったしネ♪」

 

「・・・・・・・・・あ、あぁ、そう」

 

「で、明日は何も予定ないんだったよね?」

 

「うん、何もないけど・・・?」

 

「じゃあ、みんなで下見に行ってみようか♪早いほうが良いからね♪」

 

「よかったわねぇ、明日はみんなでお出かけよ♪」

 

「わ〜〜いわ〜〜い♪お出かけお出かけ〜〜♪」

 

「・・・・・・はぁ」

 

「「・・・・・・・・・・・・ニッコリ」」

 

 

ゾクゾクゾクゥっっ!!

 

「「っ!?・・・・・・・・・・・・・・・な、何か嫌な予感がするな(わね)・・・・・・?」」

 

 

 

そんなこんなで次の日のこと

 

 

 

「おお、ここだここだ」

 

そういって皇家の面々がたどり着いたそこは、豪邸といっても差し支えないほど大きくて立派なものだった

 

「・・・・・・大きいな。ここに三人で住むには大きすぎないか?」

 

「ん?三人じゃねぇぞ?あと四人、一緒に住むことになってる」

 

「・・・・・・・・・同居人がいるとは聞いていないが?祖父母でも呼ぶのか?」

 

「冗談じゃねぇ。誰があんなクソジジイなんざ呼びつけるかよ!!」

 

「うちの親も『自分の面倒は自分でみる』って言う人だから来ないわよ。兄貴もいるから心配ないしね」

 

「・・・・・・・・・じゃあ誰だ?下宿でも取るのか?」

 

「あぁ、それは・・・・・・・・・」

 

 

てててててててててて・・・・・・・・・

 

 

「鷹斗おにいちゃ〜〜〜〜〜〜ん!!♪」

 

 

ぼふっ!!

 

 

「っと・・・春歌?」

 

「あい!こんにちわです!!」

 

「ああ、こんにちは」

 

「おじさんとおばさんもこんにちわです!!」

 

「おう、春っこ!!元気そうだな!!」

 

「はい、こんにちは♪春歌ちゃんはきちんとあいさつできるのね〜〜♪」

 

「えへへ〜、春歌、もうすぐ『しょうがっこう』に通うのです!!もうお姉さんなんですよ〜〜♪」

 

「そうか、もうそんなに大きくなったんだな」

 

なでなで・・・・・・

 

「えへへへへ〜〜」

 

「こら春歌、急に走ったら危ないでしょう?」

 

「あうっ・・・ごめんなさいです、お姉ちゃん・・・・・・」

 

「ううん、春歌がもし怪我をしちゃったら悲しいわ。だから、今度から気をつけてね?」

 

「はい、春歌もお姉ちゃんが悲しいのはイヤです!だから気をつけます!!」

 

「うん、春歌はいい子ね♪あ、ご挨拶が遅れました!!おじ様、おば様、こんにちは」

 

「おう、夏っこ!!」

 

「こんにちは、夏葉ちゃん。あいかわらずいいお姉ちゃんしてるわねぇ〜〜」

 

「大事な妹ですから♪」

 

「やぁ、隼ちゃん♪」

 

「よぉ、冬ちゃん!!よく来たな!!」

 

「初子さん、こんにちは♪」

 

「あら、秋子さん♪いいタイミングね〜〜♪」

 

そのまま親同士が話し込んでしまったため、子ども同士も話をすることになる

 

「で、鷹斗はなんでここにいるの?」

 

「いや、俺は親父達に引越しの下見をするからと連れ出されたのだが・・・・・・」

 

「は?引越し?あんたのところも?」

 

「?夏葉のところもか?」

 

「うん、昨日急に引越しすることになったからって言われて、今日下見に・・・」

 

「・・・・・・転校するのか?」

 

「ううん!!桜台の方に引っ越すだけだから、転校しなくてもいいって!!」

 

「そうか」

 

「う、うん・・・」

 

「じゃあ、みんなそろったことだし、中を見に行きましょうか♪」

 

「そうですね♪じゃあ、行くわよ?春歌、夏葉」

 

「え、え?行くって?」

 

「?今から中を見るんだけど?」

 

「・・・・・・ん?ちょっと待ってください。ここはウチの引越し先だと言われて来たのですが?」

 

「だから言ったろうが?あと四人、一緒に住むことになるって」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちょっと待て。と言うことはまさか・・・・・・・・・・・・」

 

「あぁ、そうそう♪言い忘れてたね。実はこの物件、共同で購入したから♪」

 

「ってぇことで、来週からは皇と一之瀬、両家でここで一緒に住むからな?」

 

「えぇ!?お兄ちゃんと一緒ですか!?」

 

「そう♪よかったわね〜〜、春歌ちゃん♪」

 

「わ〜〜いわ〜〜〜い!!お兄ちゃんと一緒です〜〜〜〜♪」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

(夏葉と・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・一緒に住む?)

(鷹斗と・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・一緒に住む?)

 

 

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」

 

 

「「何〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!??」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


あとがき

 

 

 

「どうもみなさま!!始めまして、お久しぶりです、覚えていただいていますでしょうか!?ヘル&ヘブンです!!」

 

あうぅぅぅうぅぅ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「このたびは執筆担当の私『作者その1』のせいで前回の投稿時から時間がかかってしまったことをお詫びし・・・・・・・」

 

き、きぶんがぁぁぁ・・・・・・・・・・・・あたまがぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・

 

「・・・・・・・・・今後、このようなことを起こさぬよう、精一杯の速さで執筆にあたり・・・・・・・・・」

 

みず、みずをくれぇぇぇえぇぇぇぇ・・・・・・・・・・・・・・・

 

作者その1(以下その1)「ええい、やっか〜〜し〜〜わ!!だまっとれその2!!」

 

作者その2(以下その2)「ぐうぇえぇぇぇ・・・・・・・・・お、大声ださないで・・・・・・あ、頭に響く・・・・・・・・・」

 

その1「・・・・・・・・・・・・まだ抜けきってなかったん?アルコール・・・・・・」

 

その2「そんなにすぐに抜けたら苦労しねぇ・・・・・・・・・・・・」

 

その1「・・・・・・・・・・・・飲めるだけで、強いわけじゃないもんね、その2・・・・・・」

 

その2「うぷぅ・・・・・・・・・」

 

その1「あ〜ぁ、もうしょうがないなぁ・・・・・・」

 

おもむろにハサミを取り出すその1

 

その2「・・・・・・?」

 

ざく。じょきじょきじょきじょき・・・・・・

 

その2の背中にハサミをいれ

 

ずるぅ・・・・・・・・・べちゃ・・・・・・ばしゃばしゃばしゃ・・・・・・

 

中身を引きずり出して皮を洗い

 

ぎゅっぎゅっ、つめつめ、ちくちくちく・・・・・・・・・

 

新しい真綿を詰めなおして縫い直す

 

その2「復か〜〜〜〜〜〜〜つ!!!」

 

その1「ぬいぐるみだとリペア簡単でいいよねぇ〜〜」

 

その2「うむ!!今だけはぬいぐるみにされたことに感謝しよう!!」

 

その1「じゃ、これ以上お待たせする訳にもいかんし、さくさく進めようか」

 

その2「おう!今回は、メインになるオリキャラの紹介なんだっけ?」

 

その1「うむ。我らで考えたキャライメージも添えてな」

 

その1、2「では早速参りましょ〜〜〜!!」

 

 

 

皇 鷹斗(すめらぎ たかと)

 

本作の主人公

推奨イメージは『Nursery  Rhyme』の支倉 静真

剣術家であるため、心もちたくましいかんじで

乱視があるため、読書時はメガネ着用

中学までは静真みたいにぼさぼさのあたまをしていたため、美形である事に気付かれなかった

高校進学時に夏葉に(さらに言えば両親‘Sに)ばっさりと髪を切られて現在の状況に

恭也・勇吾とは中学入学時からの親友

とにかく『恭也の同類』としてイメージしたため、ほぼ恭也そのまま

恭也との違いは、勉強ができるか否かのみ(学年20番台を外れたことがありません)

 

その1「こんな感じかな?」

 

その2「はいでは次〜〜〜」

 

 

 

一之瀬 夏葉(いちのせ なつは)

 

本作のヒロイン

推奨イメージは『とらかぷっ!』の日之宮 夏葉。もしくは『お願いお星さま』の橘 ひびき。それ以外認めん!!(バキッドカッゴスッ!!・・・・・・・・・・・・きゅうぅ)

・・・・・・コホン。その1が失礼しました

一応、ヒロインとしてこんなのは?というネタから生まれたキャラ。その時点では名前しか出てきていなかったが、その1が「夏葉という名前なら、このイメージ以外認めん!!」とごり押ししたことにより決定した。・・・・・・・・・・・・その1・・・趣味に走りすぎ・・・・・・

鷹斗の幼馴染。といっても、二人が出会ったのは中学入学前

引っ越してきたばかりの時、たちの悪い連中に絡まれているところを助けられ、さらに偶然に鷹斗のぼさぼさ頭に隠れた美形顔を目撃してしまい、落ちた

ある意味、鷹斗の犠牲者第一号(笑)

ちなみに成績は優秀(同じく学年20番台から外れたことなし)、スポーツ万能(中学ソフトボールで全国制覇を成し遂げた)、性格も気さくで明るい、とある意味完璧超人

が、鷹斗が相手になってしまったために気苦労が絶えることはないかもしれない

 

その2「・・・・・・・・・えらく長くなったな?」

 

その1「そんなことは些細な問題、無問題!!さぁ逝くぜ〜〜〜〜!!」

 

その2「・・・・・・末期だな・・・これ以上暴走する前に進めるか・・・」

 

 

 

皇 隼斗(すめらぎ はやと)

 

鷹斗の父親

推奨イメージは『SHUFFLE!』の神王さま

 

その2「はい、以上」

 

その1「短っ!?それで終わりかよ!?」

 

その2「だってあのお方の説明に言葉が要るか?」

 

その1「・・・・・・・・・いや、必要ないが・・・・・・いやいや、やっぱおかしいぞ!?だって職業とか紹介することは他にも・・・」

 

その2「あ、職業は刑事(警視正)。はい終わり〜」

 

その1「だから短いって!?」

 

その2「あ〜〜もぅ、これ以上はネタバレになるんだってば!ちゃんと本編で紹介するから!ほら、次々!!」

 

その1「ぐぬぅ・・・・・・・・・本当だろうな?」

 

その2「はい、さくさく行く!」

 

 

 

皇 初子(すめらぎ ういこ)

 

鷹斗の母親

ある意味で桃子すら凌ぐお方

推奨イメージは『秋桜の空に』の尼子崎 初子

 

その2「はい、以上〜〜」

 

その1「だから短けぇよ!?」

 

その2「だって初子さんよ?・・・・・・ある意味、神王さま以上に説明の必要がないんだけど?」

 

その1「いや、それは・・・・・・・・・・・・・・・否定できんが・・・・・・しかしだな、」

 

その2「はい、さくさく行くよ〜〜」

 

その1「だから聞けや!?」

 

 

 

一之瀬 冬樹(いちのせ ふゆき)

 

夏葉と春歌のパパ。親バカ。でもそれだけではない頼れる大人

鷹斗のバイト先、珈琲喫茶『ハンプティ・ダンプティ』の店長

推奨イメージは『SHUFFLE!』の魔王さま

 

その2「はい、次〜〜」

 

その1「待たんか〜〜い!!」

 

その2「なにさ?さっきから邪魔ばかり・・・」

 

その1「だから紹介が短すぎるっつ〜とろ〜が!?」

 

その2「だからぁ・・・・・・説明の必要がある?」

 

その1「いや、確かにイメージの紹介だけでキャラ紹介が終わりかねん人たちではあるが・・・」

 

その2「だから、詳しくは本編でやるってば」

 

その1「ぐぬぬぬぬ・・・・・・・・・・・・・・・」

 

その2「はい次〜〜」

 

 

 

一之瀬 秋子(いちのせ あきこ)

 

夏葉・春歌のママさん。ちなみに、秋子さんも初子さんも外見年齢は20代後半程度だったりする

一之瀬家最強にして最恐の人

 

その2「はい終わり〜〜」

 

その1「だからマテやぁぁぁぁ!!!」

 

その2「なんだよ?いい加減しつこいぞ?」

 

その1「だぁから説明が短いっつ〜とろ〜がぁぁぁ!?」

 

その2「だから必要ないって何度も言ってるだろう!!それだけわかりやすいんだから!!」

 

その1「ぐぅぅぅ・・・・・・っ・・・こだわりすぎが仇になったか・・・・・・・・・!!」

 

その2「さて・・・・・・・・・・・・(ニヒャリ・・・)」

 

すうぅぅぅぅぅ・・・・・・・・・・・・(吸気)

 

その2「みなさんお待ちかねぇぇぇぇ!!!」CV:東方不敗な案内人)

 

その1「な!?何事〜〜!?」

 

その2「ただ今より、本日のメインキャラをご紹介しま〜〜す!!!」

 

その1「なにぃぃぃぃ!?」

 

その2「一之瀬〜〜春歌ちゃ〜〜〜ん!!!」

 

その1ちょっとマテや〜〜〜!!そのためのショートカットかい!?もしかして!!?

 

その2「当たり前だ!!俺(作者にとって)のだぞ!!?」

 

その1「こ・・・・・・こんのバカ親がぁ〜〜・・・・・・(怒)」

 

その2「ふはははは!!聞く耳持たんわ!!それ逝くぜぇぇぇぇ!!!」

 

 

 

 

 

一之瀬 春歌(いちのせ はるか)

 

一之瀬家のアイドル。そして『ハンプティ・ダンプティ』の名付け親

これは春歌の愛読書が『不思議の国のアリス』だったため、店長が採用したことによる

 

その2「そして推奨イメージはぁああああ!!」

 

その1「キラ・ヤマト女性化&幼児・・・・・・・・・」

 

 

ブオォン!!(ナニカをフル・スイング)

 

 

ガッキィィィ〜〜ン!!

 

 

その1化ぁぁあああああああ!?

 

 

夏葉「人の妹をオモチャにするんじゃなあぁぁぁぁい!!!」

 

その1「ベーブ・ルースよ、あなたはやはり偉大だったぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・!!」

 

 

ドゴオオオオオオオオオオオオン!!

 

 

その2「同点満塁ホームランがバックスクリーン直撃ぃぃぃ!?」(その2は野球大好き人間です)

 

夏葉「まったく!!この馬鹿(さくしゃ)二人は!!」

 

その2「うわぁ〜〜・・・さすがは中学ソフト四番打者・・・・・・・・・」

 

夏葉「さて・・・・・・アンタも覚悟はいいわね・・・?」(ギロリ!!)

 

その2「ヒィッ!?お、お待ちください夏葉さま!!推奨イメージはちゃんとご用意してありますから!?」

 

夏葉「へぇぇぇ・・・・・・(絶対零度の視線)じゃあ、見せてもらおうかしら・・・・・・?」

 

その2「い、YESMAM!!」 ズビシィッ!!(軍隊張りに敬礼)

 

その2「こ、こちら!『木漏れ日の並木道』の『中里 さくら』ちゃんです!!」

 

夏葉「・・・・・・あら、かわいい子じゃない♪」

 

その2「(ほっ・・・)ええ、そりゃあもう!!気合入れて考えましたから!!」

 

夏葉「うん、これなら満足できるわね♪」

 

その2「ところで夏葉さん?」

 

夏葉「?なによ?」

 

その2「折角お越しいただいたんですから、少し質問に付き合ってもらえます?」

 

夏葉「い、いいけど・・・・・・質問って??」

 

 

ごそごそ・・・・・・

 

いつのまにか腹に取り付けた半月型ポケットをあさり・・・・・・

 

その2「てぇぷれこぉだぁぁぁ〜〜〜!!」CV:未来からの大山のぶ代さん)

 

夏葉「!?て、テープレコーダー!?」

 

その2「ポチっとな」

 

Rec!!

 

その2「気になるあの人と一つ屋根の下に!?そんなドキドキの今の心境をゼヒ!!」

 

夏葉「・・・・・・!!な、なんですって!?」

 

その2(芸能レポーター風味)「さあ!!さあ!!さあ!!」

 

夏葉「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」(真っ赤)

 

その2「おお、真っ赤になってわたわたしてる〜。あはは、かわいいなぁ・・・・・・」

 

夏葉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!」

 

 

ズザァッ・・・・・・・・・!!!

 

 

その2「・・・・・・っ!?そ、そのフォームは伝説のフラミン・・・・・・・・・・・・」

 

 

ガッキィィィィィィィィィィィン!!!

 

 

その2GO〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!?」

 

 

その2「王さん!!プレーオフで待ってまぁぁぁぁぁぁす!!」

(注:その2は地元ホークスの熱狂的ファンです)

 

 

ズドッゴォォォォォォォォォォォン!!!

 

 

レポーター「逆転サヨナラホームランがスコアボードに突き刺さったぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

夏葉「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・っ、か、考えないようにしてたのに〜〜〜〜・・・・・・っ」(真っ赤)

 

夏葉「うぅぅ〜〜〜、こ、このままじゃ作者に何されるか・・・・・・やっぱり美姫さんにいろいろ(おしおきについて)聞いてみるべきかしら・・・・・・・・・?うん、それがいいわね!!」

 

夏葉「美姫さ〜〜〜ん!!今度お邪魔させていただきますので、都合のいい時教えてくださいね〜〜〜〜!!」

 

 

 

作者その1、2「じ、次回をお楽しみに〜〜〜・・・・・・・・・ぐふっ!!」

 

 

ギゴゴゴゴゴ・・・・・・・・・・・・

 

崩れ落ちるバックスクリーンとスコアボード!!

 

 

「「うぎゃあああああああああああ・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 





いやいや、愉快な店長だな。
美姫 「いや、愉快っていうか」
お母さんも凄い人みたいだし。
美姫 「何か、周りに居る人たち、皆凄いわね」
それに振り回される鷹斗。
美姫 「これからどうなっていくのかしら」
次回も待っています。
美姫 「それじゃ〜ね〜」



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