この話は全てにおいてご都合主義で進んでいきます。
そういった話が嫌いな方は読まないほうがいいかも知れません。
そして全体的にキャラは壊れ気味なのでそういったのが嫌いな方も読まないほうがいいと思います。
それでもいいという方はどうぞお進み下さい。






天使の花園

  第3話「入学式」




恭也は入学式の会場である体育館に入ると二人の教師と思われる人物が手招きをしていた。
その二人というのは四方堂緑と津島紅葉である。

[緑]
「高町先生こちらです」

[恭也]
「すみません四方堂先生」

[紅葉]
「もー四方堂先生、私の仕事取らないでよね」

[緑]
「いいじゃないこれぐらいの事」

[紅葉]
「むぅ…四方堂先生おーぼー」

[緑]
「津島先生横暴ってどういうことですか」

[恭也]
「(果たしてこの二人はいつもこうなのだろうか…)まぁまぁお二方共落ち着いてください」

[紅葉&緑]
「恭也(高町)先生は黙っていてください!」

[恭也]
「は、はい…」

[緑]
「なんで高町先生の事名前で呼んでいるんですか」

[紅葉]
「いーじゃない名前で呼んだって、ねー高町せんせ」

[恭也]
「は、はぁそれは構いませんが……」

[紅葉]
「わーいやったー」

恭也に飛びつこうとする紅葉
しかし、襟の後ろを掴み、緑はそれを防いだ。
そしてそのまま猫を持つように摘み上げた。

[緑]
「何をしようとしているのかなぁ?紅葉ちゃん」

[紅葉]
「あはは、離してくれると嬉しいな緑ちゃん」

[緑]
「いくら恭也先生が許してくれたからといってそんな真似してもいいなんて言ってないわよ」

[紅葉]
「あれー?何で緑ちゃんも恭也せんせのこと名前で呼んでるの?」

[緑]
「いいじゃない私だって名前で呼んでも。構いませんよね恭也先生?」

顔は笑っているが声は裏腹に凄みがあった。

[恭也]
「(何故怒っているのだろう…)えぇそれはいいですよ」

[緑]
「ふふっ、許可は下りたわよ」

[紅葉]
「ぶーぶー」

恭也はため息を一つついてこの場を治めようとした。

[恭也]
「そろそろ入学式が始まりますよ」

[緑]
「そうね。それじゃあそろそろ座りましょうか」

[紅葉]
「はい、じゃあ恭也せんせは私の隣ね。後で自己紹介があるから出て行きやすいようにね」

[恭也]
「はい、わかりました」

[緑]
「じゃあ私はここに」

そう言って緑は椅子を恭也の隣に移動させた。

[紅葉]
「なんで緑ちゃんはそこに動いているのかなぁ?」

[緑]
「いいじゃないここでも」

周囲でキャイキャイと騒ぐ二人。
恭也はそんな二人を見てふぅっとため息をついた。
そんなこんなで入学式が始まり新入生が入場してきた。

[恭也]
「ほらお二人共新入生が入場してきましたからお静かに」

[紅葉&緑]
「はーい」

と返事はしたものの睨み合いは続いていた。
そんな頃入場してきた生徒の一部からは小声で話をしている声があった。

[祐巳]
「あ、あそこにあの人がいるよ」

[フィリス]
「えっ、何処何処?」

[さくら]
「ほら教師の列の後ろのほう」

[由乃]
「へぇ、あの人がそうなんだ」

[フィアッセ]
「あの人がフィリスが一目惚れした人なん…だ……」

[ななせ]
「ん?フィアッセさんどうかした?」

[フィアッセ]
「ねぇ美由希……あれって恭也だよね」

[美由希]
「どれどれ…うん恭ちゃんだね」

[フィリス]
「フィアッセさん、美由希さん知り合いなの?」

フィリスは笑顔なのに物凄い威圧感があった。
フィアッセと美由希はタジタジになっていた。

[美由希]
「わ、私は恭ちゃんのいとこで」

[フィアッセ]
「私は幼馴染みたいなものかな」

[フィリス]
「ふーんそうなんだぁ」

目はあまり笑ってなかった。

[祐巳]
「あはははは…」

[さくら]
「それにしてもあの方もう女性教師の人と仲良くなっているんですねぇ」

そう言ってしまった為に、

[フィリス&フィアッセ&美由希]
「ギロッ」

と恭也を睨みつけた。

[恭也]
「うん?(何か鋭い視線を感じるな…何故だ)」

などととんちんかんな事を考えていた。

[緑]
「どうかなさったんですか?高町先生」

[紅葉]
「あら、新入生に知り合いでもいらっしゃるんですか?」

紅葉は流石に他の先生がいる手前職員室の時のような口調ではなかった。

[恭也]
「えっと…」

新入生を見てみると、

[恭也]
「従姉妹と幼馴染みたいなのが一人ずつと」

[緑]
「と?」

[恭也]
「職員室の場所を聞いた時にいた生徒が四人ほど」

[紅葉]
「ふーんそうなんだぁ」

[緑]
「生徒にまでライバルがいるのかしら…」

[紅葉]
「負けないよー」

そんな会話が交わされていた。
その様子を見ていた新入生組はというと、

[祐巳]
「随分と仲が良さそうだね」

[フィリス]
「ギラッ」

[祐巳]
「あうあうあう……」

[由乃]
「まぁまぁフィリスさん落ち着いて落ち着いて」

[美由希]
「うぅー恭ちゃんったらまた無意識におとしてるし…」

[フィアッセ]
「相変わらずなんだから」

[ななか]
「なるほどぉ」

とななかはメモを取っていた。

[さくら]
「ところでななかさんは何をメモしているの?」

[ななか]
「んー新任の男性教師の取材メモをね」

[美由希]
「でも恭ちゃんそういうの嫌いだから」

[ななか]
「そうなんだ」

[フィアッセ]
「写真とかも苦手だし」

[蔦子]
「そっか、被写体としては申し分ないんだけどな」

[由乃]
「あれぇ珍しいね蔦子さんが女性以外を撮りたがるなんてね」

[蔦子]
「いいじゃないそんなこと」

[さくら]
「そろそろ静かにしないと」

[祐巳]
「うんそうだね」

入学式が始まって、

[司会者]
「それでは新入生代表の挨拶。代表藤堂志摩子」

[志摩子]
「はい」

新入生代表の挨拶が始まった。

[蔦子]
「うーんやっぱり絵になるなぁ志摩子さん」

[由乃]
「綺麗だもんねぇ」

そんな話をしている時でもフィリスは恭也の方をずっと見つめていた。

[ななか]
「あらら、フィリスさんずっと見つめてますねぇ」

[さくら]
「あらあらまぁまぁ、いつものフィリスちゃんは何処に行ったんでしょうか」

[フィアッセ]
「うふふふ、フィリスもライバルなんだね」

そんなこんなで、

[志摩子]
「新入生代表藤堂志摩子」

志摩子の代表挨拶は終わった。

[司会者]
「続きまして、姉妹校クリステラソングスクール校長ティオレクリステラ様よりご挨拶を承ります」

[ティオレ]
「ご紹介に預かりましたティオレクリステラです」

挨拶が始まった。
その顔は真剣な顔であった為に恭也は安心をしていた。

[恭也]
「ふう…今回は大丈夫そうだな」

[緑]
「そういえば高町先生はティオレクリステラさんとどういったご関係で?」

[紅葉]
「そういえば私も気になってたんだぁ」

[恭也]
「ティオレさんとは家族ぐるみでお付き合いさせて頂いています」

[緑]
「へぇ…そうなんだ」

[紅葉]
「凄いですねぇ」

その様子を見ていたティオレはとんでもない事を言い出した。

[ティオレ]
「はーい高町先生、他の先生といちゃいちゃしてないで話を聞かないと駄目ですよ」

それを聞いた途端椅子から転げ落ちる恭也

[恭也]
「あの人は……とんでもない事を言って…まったく」

[緑&紅葉]
「あ、あはははは……はぁ…」

緑と紅葉は今まで抱いていたイメージが崩れていくような気がした。
そんな言葉を聞いて周囲の視線が先ほどよりきつくなった。

[美由希]
「恭ちゃんったらデレデレしちゃって」

美由希は頬を膨らませ、

[フィアッセ]
「恭也ってば……」

フィアッセの背中の羽が黒くなって広がり、

[フィリス]
「ぶぅ…」

フィリスは周囲の人が痺れている事に気がついていない。

[祐巳]
「あぁー、三人共落ち着いて……きゃう」

フィリスの電撃の網のようなものに触れて痺れてしまったようだ。

[さくら]
「駄目よ祐巳さん。今の三人に近付くと下手な怪我じゃすまないわよ」

[蔦子]
「うーんフィアッセさんが嫉妬するとこんな風になるんだぁ」

感心したように呟いた。
ティオレの挨拶も終わり近付き最後にまた爆弾を落としていった。

[ティオレ]
「最後に、フィアッセー恭也をちゃんとおとして帰ってくるんですよー」

フィアッセを中心とした辺りと、恭也を中心とした辺りからは椅子から落ちる音が盛大に響き渡った。

[フィアッセ]
「もーママったら…とんでもない事言ってくれちゃってぇ……」

[フィリス]
「まさかと思うけど抜け駆けはしないわよねフィアッセさん」

睨みつけるフィリス。

[美由希]
「私の恭ちゃんを取らないよね」

小太刀を抜こうとする美由希。

[由乃]
「お、落ち着いて。まだ式の途中だよ」

[さくら]
「も、もうすぐ終わるからね」

珍しく慌てているさくら。

[緑]
「恭也先生まさか今言っていたような事にはなりませんよねぇ」

[紅葉]
「生徒に手を出すような真似はしませんよねぇ」

と二人に迫られていた。

[恭也]
「そ、そんなことしませんよ」

[紅葉&緑]
「本当ですね」

[恭也]
「は、はい」

結局女性に頭が上がらない恭也であった。
そして、

[司会者]
「今年新任でいらっしゃいました高町先生よりご挨拶をいただきたいと思います」

声がかかったので立ち上がり壇上に向かった。

[恭也]
「高町恭也と言います。担当教科は地理です。教師としてはまだ未熟な部分もあるとは思いますがこれからよろしくお願いします」

翠屋で鍛えられた笑顔を振り撒いた。
会場全体から甘いため息と共にほとんどの生徒が頬を赤らめた。
司会者はその空気に耐えられなくなり、

[司会者]
「う、うん…高町先生には生徒会の方を担当していただきます。それでは入学式を終了させていただきます」

こうして入学式は滞りなく終わった?











後書き
[圭] 「第3話をおおくりしました」
[志摩子]「あのー」
[圭] 「なんでせうか志摩子さん」
[志摩子]「私の出番がやけに少ない気がするのですが」
[圭] 「次回からに期待していてください」
[志摩子]「そうですか…それと微妙な再会ですね」
[圭] 「直接会っていないだけにあのような感じになりました」
[志摩子]「新任の先生がいきなり生徒会を担当することになるのでしょうか?」
[圭] 「まぁその辺りはティオレさんの罠と言うことにして下さい」
[志摩子]「そういうことですので納得して下さい」
[圭] 「お願いしますm(_ _)m」
[志摩子]「次回は?」
[圭] 「担当の発表と薔薇の館での自己紹介…かな?」
[志摩子]「決まってないのですか?」
[圭] 「後のお楽しみということで」
[志摩子]「楽しみにしている方はいるのでしょうか?」
[圭] 「うぅ、酷い」
[志摩子]「それではまた次回お会いしましょう」



さて、恭也が生徒会の担当となった事だし。
美姫 「また一騒動起こるわよね〜」
そして、再会する人たち。
美姫 「果たして、どんな事になるのやら」
次回もワクワク〜。
美姫 「どんな事になるのかしらね〜」



頂きものの部屋へ戻る

SSのトップへ