今日は少し遅めの六時半に目を覚ました。せっかく鍛錬を始めたんだ。継続しないと意味はないからな。

大河は誘っていない。あいつは今日忙しい。それに二日酔いに近い状態でやっても身に付きはしないだろう。

昨日と同じ内容をしてその後寮の裏手に行き観護を呼ぶ。寮の裏手は案外、人が来ない。

 

(どうかしたの?蛍火君。私たちを呼ぶなんて)

(何、素振りだ。まだ観護の扱いに慣れていない少しでも慣れないとな)

(がんばってね)

 

 それ以後何も観護は言ってこなかったが少しでも振り方が崩れていたりしたら叱責が飛んできた。

学園長に頼んで講師を呼ばなくてもよかったかもしれないな。

 その事を観護に言ったら呼んで良かったと言われた。

(どんなに口出しできても打ち合えるわけじゃない。打ち合いは一人稽古に勝り、実戦は打ち合いに勝る)と言われた。

素振りといっても特別なことではない。唐竹、袈裟、逆袈裟、右薙、左薙、右切上、左切上、逆風、刺突を繰り返すだけだ。

 

剣術をしていたわけではないので型など持っていない。だからその中でもっとも振りやすい形を探すだけだ。

 鍛錬の最中、観護と色々な事を話した。俺に魔力があるから覚えることができれば観護がなくても魔法が使えること。

錬金術は演算補助しか出来ないからどうがんばっても出来ないこと。

ほっとけ、………どーせ俺は勉強はいい方じゃないんだから。

 鍛錬が終わっても観護は話しかけてきた。仕方がないから聞いていたが内容は自分たちの子供自慢だった。うんざりだよ。

 

 しかし、今の俺ではいざという時に力が足りないな……、

 

 

 

 

 

 

 

第七話 危険な逢引き

 

 

 

 

 

 

 

 

 十時丁度に待ち合わせ場所についた。驚いたことにダリアが先に待ち合わせ場所にいて俺を待っていた。

てっきり二十分ぐらい待たされると思っていたのに、

 

「おはようございますダリア先生。もう待たれていたんですね。てっきり遅刻してくると思っていたんですけど」

「おはよう蛍火君。私だって時間ぐらいは守るわよ〜」

 

 その言い分だと時間以外は守らないと。まぁ、俺も規則は守らない方だ。

規則は約束と違って一方的に守らせようとしているからな。破ることは俺の信条に反していない。

 

「すみませんが、今日は案内よろしくお願いします」

「了解したわん。どこから行く?」

 

 まずはこのねーちゃんに着替えてほしい。だから服屋か。

 

「服が売っているところで、なるべく大きな店舗で品揃えが多くて安いところがいいです」

「注文が多いわね。いいわ。ついてらっしゃい」

 

 大人の懐の大きさを示しながら先導してくれる。これぐらい普通だろ。

それに俺自身はファッションセンスはないが拘りぐらいある。

それを満たすにはある程度大きいところでないとこの時期見つからない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目の前にかなりでかい建物が建っていた。他の建物と比べるのがおこがましい位にでかい。

大きな店舗とは言ったがこれはでか過ぎだろ。

 

「ここは。紳士服はもちろん婦人服に子供服、老人向けの服に学園の学科ごとで使う服とかも取り扱ってるわ。

メイド服なんかかなり種類があるのよ〜」

 

 自慢げに店の紹介をしてくれた。

はぁ、そんなけ扱ってりゃでかくなるわけだ。ダリアそんなさりげなく言っても俺は気にしないぞ。

 紳士服売り場に行って目的の物を探す。

 黒一色の服だけで俺はいいしな。

 夜に潜むには………、

 

「ねぇねぇ、蛍火君。どんなの探してるの?」

 

 俺は無言で見つけた一つ目のシャツを見せる。

 

「これと同じようなものを後十着。」

「え〜と、他のものは探さなくていいの?」

「これだけでいいです。」

 

 ある程度、似たような服を探してもらい、それを購入。

 ついでに作務依を作ってもらえるように店に頼んでおいた。

 

 

 

その後、婦人服売り場に行って適当にダリアの服を見繕って渡し、着替えてもらった。

 

「う〜ん、この服装地味じゃない?」

 

 自分の服を見回しながら俺に聞いてくる。くるくる廻るものだから胸が………、

なるべく地味目の服装を選んだんだから当たり前だ。

それでも胸の大きさは隠しきれていないというよりも強調されているが。

 

「普段が派手すぎるんです。今日くらいはその服を着ていてください」

「はいはい。分かったわよ〜」

 

 嫌がるかどうか分からなかったが、俺の言うことを聞いてくれてよかった。ダリアの考え方というか本質が分からなかったからな。

 

会うことが少ないこともあるが俺以上に演じるのが上手いから予測を立てることができない。

救世主クラスの奴らや学園長は予測立てやすいんだがな。

 

 

 

 

 時計を見るとすでに十二時を回っていた。思っていた以上に時間がかかったな。とりあえずどこかで飯を食うか。

 

「ダリア先生。そろそろお昼にしましょうか?」

「たしかにそんな時間よねぇ。どこにしよっか」

 

 俺に聞いてくれるな。俺はここに来るのは初めてだから何処に旨いものが売ってるか知らない。

あんたが案内係なんだからあんたが決めてくれ。

 

「ダリア先生の好きなところでいいですよ」

「じゃぁ、あそこ」

 

 指差す方向には外見からして高級料理しかありませんといった店だった。マジですか!? 

俺は洋食料理の作法なんてスプーンとフォークは外側から使うぐらいしか知らないぞ………、

 

「やぁねぇ。冗談よ。あっちの店でいいでしょ」

 

 冗談にしてはたちが悪い。もしかして一昨日(一話参照)のことを根に持ってるのか?

ダリアが指差した店は普通のオープンテラスがある喫茶店みたいな店だった。よかった。

 

 って、ちょっとまて、向かいにも同じような店がある。しかも動き回っているのはメイド服を着た人ばかりだ。

あわてて店名を確認する。キュリオにファミーユだ。ジーザス。

同じ会社だからといってファンタジーにも出てくるのか? ふざけ過ぎだぞ。この世界。

席についてメニューを広げ何があるか見てみる。楽しみだな。

 

 

 

 

 

俺は何度も字を確認する。…………よっ、読めない。何だ、この文字は?

俺が知っている地球にある文字とはどれとも異なる。

普通に日本語を話しているからてっきり日本語で書かれていると思ったんだが、どうしよう?

 選ぶのは諦めてダリアと同じものを頼むとしよう。

 

「蛍火君はもう決まったの?あたしはこういうの決めるときは悩んじゃうのよ」

 

 へぇ、てっきりすぐに決めると思っていたが違うんだな。

 

「うん。決めた。そこの人、これとこれとこれ。お願いするわねぇ」

 

ダリアが呼び止めた人はやっぱりというか、金髪ツインテールで明らかにツンデレといった人だった。

もう開き直るしかない。ファンタジーなんだ、何でも有りだよな?

 

「私もこの人と同じものを」

「畏まりました。ご主人様」

 

ウェイトレスは注文をキッチンに持っていた。さてどれほどの料理が出てくるのだろう?

 

「ズルイわね。そんな風に選ぶなんて」

 

 ちょっと拗ねているといった風に怒っている。

そんな顔も出来るとは意外だ。

俺はズルくはない。字が分からない上にどんな料理が有るかも知らないんだ。他の奴もこんな場合はそうすると思う。

ん?他の人はこんな経験しないか。参考にはならんな。

 

「何が出てくるか分からないですからダリア先生に頼ったまでです」

「………やっぱり不思議ねぇ。蛍火君は」

「そうでしょうか? 私よりも当真の方が不思議ですよ。どうしてあそこまで思考が女性のことに偏っているのか。

一度、本気で調べてみたいくらいですし」

 

 これはマジで思っている。色々な心理テストをさせてみたい。一番してみたいことは三大欲求の中でどれが一番強いのか調べてみたい。

一番に性欲がきたら笑えるというよりブルーになるだろうが。

 

「そうかしら? 大河君くらいの年だとああだと思うけど。それよりも話をそれしちゃだめよ〜。

い・ま・は、蛍火君の話をしているんだから」

 

 一言ごとに区切り、色気を出して気があるのかまどわせるかのようにモーションをかけて来た。

 フッ、俺にはきかんよ。

 

「私の事など話しても面白ことなどないと思いますが」

 

 本当に面白いことなどない。救世主クラスのように壮絶な過去を持ってなどいない。

親は健在だし、義理の兄弟や腹違いの兄弟もいない。せいぜい一度死に掛けたぐらいでいたって平凡だ。

 

「そんな事ないわよ〜。ここに来た時も慌ててなかったし、元いた所に帰れないって言われた時も平然としてたじゃない」

「そうですか? 結構慌てていましたよ。でも私以上に慌てていた当真達がいましたから、そう見えただけですよ」

「本当かしら?」

 

 やけに気にするな。学園長が何か入れ知恵でもしたか。まぁ、信用しても信頼しないというのが責任持つものの当然の考え方だ。

俺は責任など持たない立場だが性格上他人は信頼していない。

人にとってもっとも信頼出来る自分というものすらも俺は信じられない性格だからな。

 

「何処か、ダリア先生の気に障ることでもしたでしょうか?」

「そうじゃないわ。気になるだけ。どうやったら蛍火君のような人間に育つのかしら」

 

 作り方は簡単だ。大切なものを一つ残らず捨てられるようになれたら簡単に出来る。

心を空虚に、感情は虚ろに理想も信念も捨て、人としてもっとも欠落した形に追いやれば自ずとこんな狂った存在が完成する。

 

「おや、ダリア先生はお子さんがいらっしゃったんですか。知らなかったです」

「あたしはまだ独身よ!!」

 

 さっきとは違うマジギレだった。怖いよ。そんなに怒らなくても、そんな言いかたされればそんな風に邪推してしまう。

俺はあんたに関してはクレア専属の学園長監視に派遣された諜報員としか知らないんだから。

 だが、年の話題に直結する事ではあったか。女性に対しては失敗だな。

 

「お待たせしました。ご注文はこちらでよろしいでしょうか?」

「えぇ、かまいません」

「分かりました。あまり彼女を怒らせるのはよくないですよ」

 

 ピンクの髪をしたウェイトレスが下らんことをほざいて去っていった。やれやれ、戦闘中、敵同士に愛が芽生えるってか。

くだらん。極限状態において種の保存の本能が活性化するだけだろ。そんなの。

 

「はぁ、冷めないうちに料理をいただきましょう」

「そうね」

 

 何故かダリアの声は上擦っていた。まぁ、俺なんぞと恋人扱いされたんだ。気分を害するだろう。

 料理は香草をふんだんに使った料理だった。香草の香りがよくでていて肉の臭みを上手く消し、素材の味をよく引き立たせていた。

アヴァターを出て行く前にはせめて香草で肉の臭みを消せるようにはなりたいな。

 

 

 

 

 

 

 

 はぁ、ごちそうさん。上手かったね。それにしても食後にはどうしてこんなに煙草が吸いたくなるんだろ?不思議だね。

 今日は相席者がいるんだよな。聞いておくのが礼儀だろ。

 

「ダリア先生。煙草を吸いたいんですがいいですか?」

「いいわよん」

 

 承諾をとり、愛用の煙草に火をつける。

あー、やべぇ。もうそろそろなくなるな。買い足さないと。ダリアに場所聞いて後で買いに行くか。

 

「おいしそうに吸うわねぇ。そんなにいいの?」

「まさか、やめられないだけですよ。こんなに高くて体に有害なもの美味しいはずがないですよ」

 

 しかも、もう随分前だが税金が値上がりした。最終的にはいったいどこまで上がるんだろ。

もしかして海外と同じくらいになるのだろうか?……勘弁してくれ。

 

「蛍火君は未亜ちゃんみたいに帰りたいって思わないの?ここに来てからそんな事一度も言ってないじゃない?」

「当真が召喚器を手に入れた今、すんなりと帰してくれるんですか?」

 

 前日にも述べたとおり帰してくれるとは思わない。もっとも契約がある時点で帰れと言われてもここに残るしかないが。

 

「あたしたちだって鬼じゃないわ。無理強いなんてできない。なのに蛍火君はここに留まった。どうしてかしら?」

 

 質問にしか聞こえないが、込められている意思からは尋問と同じ用にしか感じられない。

 

「異世界の文化と料理に興味を持ったそれだけです。ここにどれだけ留まっても戻れば欲しいものは手に入ります。

でもこちらの世界にしかないものは戻ったら二度と手に入れられない。好奇心が勝っただけですよ。

いつか手痛いものくらうかもしれませんがね」

「好奇心だけでここに残るって言うの? 下手したら死ぬかもしれないのに?」

 

 有り得ないと、どうしてそこまでするのかと。だが人は好奇心を求めた結果死ねるものだ。

どんなに近代化が進んだ日本でもトレジャーハンターに憧れる者はいる。それに、

 

「元の世界にいたって死ぬときは死ぬものです。交通事故で、通り魔で、あっけないほど簡単に死んでしまいます。

何処にいようと一緒です」

「ここにいる方が確立は随分と上がるっていうのにそれだけで済ましてしまうなんておかしいんじゃない?」

 

 俺にとってそれだけでしかない。死よりも恐ろしいのは退屈と面倒ごとだ。

それを避けられるというのなら喜んで銃弾の下を掻い潜ろう。

といった思考の持ち主だ。だがこんな考え方日本では珍しくない………はずだ。そうだよね?

 

「おかしくない人など何処にいるのでしょう? 人はどこかしら他人と比べて変わった部分を持っているはずです。

私はただ他人より見えやすいだけだと思いますよ」

 

 

 

もう、フィルター近くまで吸った。時間は有限だ。いつまでもここでダリアと話して情報を与えるのは好ましくない。

さて次は武器屋にでも行きますか。色々欲しいものがあるし、

 

「次は何処に行く予定なのかしら?」

「武器屋に、護身用の武器くらいは欲しいですから」

 

 

 

 

 

 

 薄汚れた路地裏を少し歩いていくと武器屋が見えた。路地裏に有るからこじんまりしていると思っていたが案外大きいな。

 中に入ると所狭しと武器がおいてあった。ロングソード、バスタードソード、トゥハンドソード、ダガーはもちろん。

ハンドアックス、戦斧、ランス、スピア、あっ。レイピアもある。後、宝玉の類や弓、メイスも置いてあるな。

 店主はカウンターで彫像のように動いていなかった。武器屋の店主に相応しい風貌をしていた。いぶし銀ってやつだ。

一番近くにあった、ロングソードを手にとって振ってみる。重いな。重心が前のほうにあから斬撃に適している。

量産品で手ごろな値段だしセルあたりが使っているかもしれない。

 

 それからも色々持ってみた。しかしなかなかいいものが見つからない。

比較対照が元いた世界にあった刀と観護しかないのだからあわないのは無理もないかもしれない。

 そんな中、端のほうに誰も触れられないようなところに双振りの小太刀を見つけた。

兄弟刀か奉納刀としてつかられたものか分からないがほぼ同じ刀。対となるように作られた刀だ。

 現存する小太刀で業物、大業物は世に出回らない。家宝か御神刀しか残っておらず、それ以外は戦場で散っていったからだ。

 だが、目の前にあるのは大業物。しかも波紋はなく直刃でその何も飾らない所がさらにいい。重量感はあるが振りぬきやすい。

抜刀の際に淀みはなく切れ味も確かだ。

当然確かめ方は自分の腕でだ。ダリアがちょっと驚いてたけど。

 値段はあぁ、高いな。この世界は西洋文化が主体だから珍品として値段が高いのだろう。でも欲しい。

 

「そんなにそれが気に入ったか?」

 

 店に入ってから一度も口を開いていない店主が俺に声をかけてきた。外見どおり渋い声だな。

 

「あぁ、欲しい」

 

 感動のあまり言葉は少なく、本来の話し方で応えてしまった。それほどにこの刀はいい。何に置き換えても。

 

「半額にしてやる。そいつは誰も欲しがりもせんからな」

「マジか!? 買った」

 

 反射的に答えてしまった。だがこれが半額か。なら確実に手が届く。他に欲しいもののための金も残るし。

 小太刀を買い、古ぼけた武器屋を後にした。ダリアと分かれた後またここに寄ろう。必要なものはまだまだある。

 小太刀を手にしている俺は親に欲しいおもちゃを与えられた子供のような顔をしていたのだろう。

ダリアの微笑ましそうな顔がそうだと告げていた。

 

 

 

 

 

 

Interlude ダリアs view

 小太刀の試し切りを自分の腕でしたときは驚いちゃったけど、今はほんとに子供みたい。

でも、試し切りするものがないからって普通自分の腕で試し切りするかしら?

しないわよねぇ普通。

 

 本当に矛盾してる。誰よりも冷静なのに誰よりも子供だわ。そして本当に不思議な存在。

 あたしと初めて会ったとき、彼の性格ならあたしを警戒するはずなのにあたしの話を信じてくれた。

それにあの洞察力を発揮できるほどの冷静さ。何処までも自分を出来事の渦中に入ろうとしない意思。

自分を傷つけることを厭わない、いいえ…………あれはすでに気にしないところまで来ている。

 ここまで思い出してみると不思議というより異常ね。

 

 

一昨日、蛍火君と話してから学園長の様子がおかしかった。

普段は考え事をしていても表に出さないのに、あたしが話しかけているのに気づかないほど考え込んでいた。

しかも、蛍火君の情報を引き出すためにリリィちゃんをダシにするなんて。娘を溺愛している学園長があんな事を言うはずがない。

そして、次の日には憑き物が落ちたように晴れやかな顔をしていた。

 

 

 きっと、蛍火君が関係している。

蛍火君は何か知っている。何かは分からないけどとても重要な事。そう、あたしの勘が告げている。

 昨日学園長に買い物の案内をチャンスだと思ったけど何も切り出せない。

何かこぼしてくれるかもしれないと思っていたけれど何もこぼしてくれない。

彼自身の事を聞きだそうにも上手く話を逸らしてくれるし、こっちが上手く持っていけても有耶無耶にされてしまう。

やりにくい相手だわ、ほんと。

 でも、興味をそそられる。ここまで隠したいことを、彼が何を考えているのかを。

 

 色仕掛けで迫ってみようかしら?

ダメね、きっと。『速く服着てください』の一言でいえ、もしかしたら無言でどっかいっちゃうかも。

 クレア様に言ってお金でつってみる?

普通なら大丈夫そうだけど、ここまで矛盾してる彼に効くかしら?

 権力で脅してみる。大河君を敵に回しそうだわ。なら逆に権力でつってみたら、ダメね。想像もつかない。

 その後も蛍火君から何か聞きだそうとしても趣味ぐらいしか聞けなかった。

趣味を話しているときはほんと、子供みたいだったわ。そのくせ、煙管とか珈琲とか渋いものを買っていたし、

結局、今日は何も情報を引き出せないまま買い物に付き合うだけに終わった。はぁ、スパイとして自信なくしちゃうわ。ほんと、

Interlude out

 

 

 

 

 

 

 買い物が終わってダリアと分かれた後、俺はもう一度王都に戻ることにした。

表としての買いたいものは終わったが裏として欲しいものはまだそろっていない。武器屋に戻って飛針と投げナイフ、鋼糸を買った。

店主はさっきと違って何も言ってこなかったが少しばかり値引きしてくれた。また来るだろうからな。

 その後、服屋に行ってコートを買い、暗器と小太刀を隠し持てるように服の裏側を改造してもらった。

その内、CITY HUNTERの?の服みたいに色々隠したいな。

 

 

 

 


後書き

 前回デートと銘打っておきながらまったくデートらしくありませんでした。期待した方ごめんなさい。

 ですが蛍火は本当に買い物に行っただけのつもりなので色っぽいものにはなる事はありません。

またこれからも蛍火が買い物に行く時は色っぽいものにならない予定です。

 後、買い物の途中で寄った喫茶店はキュリオとファミーユです。分かる方には分かりますよね?

この二店はまた出す予定です。蛍火とどのような関係になるかは今のところ秘密です。

 

 蛍火の選んだ武器は狙っています。歴史の陰から血に濡れながらも守る存在といったら御神流しかありません。それしか有り得ません。

 実は私、とらハ3が大好きです。御神流が大好きです。高町恭也を敬愛しています。

といった自分勝手な理由でその武器を選ばせていただきました。すみません。





腹の探り合いは蛍火の方が上手だったかな。
美姫 「まあ、持っている情報量の違いよね」
うっかり口を滑らすような事もなく、一応は無事に終了と。
美姫 「予定外の出来事も幾つか起こったけれど、そう問題なさそうだしね」
うんうん。さーて、次回はいよいよ講師の登場。
美姫 「どんな鍛錬が繰り広げられるのかしらね」
次回も待ってます。
美姫 「それじゃ〜ね〜」




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