『トラハ的な日常1・2・3』








 設定は恭也が大学2年いわゆるALL ENDのご都合主義です。
 トラはシリーズの1.2.3混在SSって事でそれでもいいよって人は進めてくださいませ。










 第6話
 日常?非日常?浜辺に咲く花









 恭也、知佳、さくら、ノエルこの4人が忍の「爆破現場」を確認しに
 島の反対側へ赴いている頃

 「みんな〜、見るのだおおきなお魚〜〜♪」

 美緒が意気揚々と抱えた魚はたしかに大きい

 「へ〜、この島で初めて魚なんてみたね〜。フィ〜もそう思わない?」

 「え?何?アイリーン」

 「もうフィ〜きいてなかったの?」

 「ごめんね^^;」

 「フィアッセ、心配しなくても恭ちゃん達は大丈夫だとおもうよ。だって人間ぽいけど人外だし♪」

 もし恭也がその場に居たら間違いなく夜の鍛錬で地獄をみるであろうセリフをこの場に本人が居ない
 のを良いことに「ふふ〜ん♪」とばかり話している美由希にみんなも苦笑を浮かべていた。

 「美由紀さん、あんまり調子にのって悪口いってるとああなりますよ?」

 苦笑をうかべつつ鋼糸によって木に吊るされている忍を指差すフィリス。
 長時間揺れ続けていたせいか、すでに蒼さめた顔色は土気色に変わってしまっている。

 「そろそろ下ろしてあげないかしら?」

 「うんうん、さすがに可愛そうだよね」

 瞳と唯子の優しい言葉に吊るされた忍は涙ぐみながら

 「ありがとうぅ〜(泣」

 万感の想いを乗せておろしてと懇願する。

 「いいのかな?下ろしても」

 「もう十分だと思うけど・・」

 「俺達は、なのちゃんが良いって言うのなら・・なぁ亀?」

 「そやな〜・・ってだれが亀やねん!」

 「二人とも・・(ニコ」

 「「ひぃ・・・」」

 どこまでもなのはに頭が上がらないレンと晶である。




 年長者組は離れたところで談笑を交わしているのを視界の隅でとらえつつ

 「んじゃ、下ろしてあげようか」

 フィアッセの言葉にその場に居る数人がうなずく

 「優しくお願い・・(ポッ」

 ほおを赤らめつつそんな冗談が言えるとはまだ余裕なのでは?と
 少し考えながら忍の下で「さてどうやって下ろすか・・」と考える
 美由希と那美。高さは軽く3メートルはありそうだ

 「どうしましょうか〜・・・」

 ふと上を見上げる那美の視界に鋼糸で縛られた忍が映る

 「う・・・・・」
 (忍さん・・スタイル良すぎ(汗)

 なんというか、木に吊るされて居るとはいえ抜群のプロポーションと
 縛られているという事があいまって妖艶でさえある。
 自分の間違いなく標準以下であろう体型に落ち込む那美の横で美由希が

 「もう切っちゃおう」

 「へ?切るんですか?」

 「うん、鋼糸きっちゃおう。那美さんうけとめてね♪」

 「ええええええ!無・・無理ですぅ〜(泣」

 しかし時、すでに遅し
 何処から出したのか美由希は小刀を鋼糸めがけ投げはなっていた。

 「ちょ・・美由希ちゃん!まって〜(泣」

 「ひゃぁぁぁぁ〜〜〜!!!」


     ごすぅ!!


 「ぐぅぅぅぅ・・・・」

 頭を抑える忍に

 「・・・・・ピクン・・ピクン」

 気を失い痙攣する那美。(笑
 
 「・・・・忍さん・・那美さん大丈夫?・・・(汗」

 「美由希ちゃん・・ひどい(泣」

 「あはは・・・ごめんなさい・・・」

 そこになのは達が大丈夫?とばかりに寄ってくる。

 「フィリス先生、那美が・・・・」

 「大丈夫ですよ忍さん、ただの脳震盪みたいです。数分で気がつきますよ」

 ほっと胸を撫で下ろす一同。


 「あれ?あんな所に花が」

 「あら本当、砂浜になんて珍しいわね・・」

 唯子が指さした先は砂浜は続いているのだが岩がいくつかあって丁度死角になっていた
 そこに数輪咲いている小さなピンク色の花。

 「わ〜〜かわいい〜♪」

 「きれい〜」

 なのはと久遠がその花に触れようとしたとき
 晶から声が掛かる

 「師匠達が帰ってきたみたい、なのちゃん」

 「ほんと?いこ♪く〜ちゃん♪」

 「くぅん♪」

 駆け出すなのは達
 
 なのは達が去った後、浜辺に咲いた花はただ風に揺れる。






〜 恭也視点 〜

 「お帰り、恭也」

 「ただいまです、美沙斗さん」

 「おつかれさま、みんな。冷たいものでもどうだい?」

 「いただきます。耕介さん」

 「あれ?知佳?さくらさんとノエルさんは?」

 さくらさんとノエルはコテージに一度もどって通信機をためしてくるといっていた。

 「コテージにもどって通信機を試しているみたいだよ」

 「そっか、でどうだったんだい?恭也くん」

 「まぁ・・さすがに忍というか一発は通信施設にピンポイントでした・・・」

 「忍嬢ちゃんの才能ってやつかね〜」

 たしかに真雪さんが言うようにすでに偶然ではかたづけられんな・・(汗
 本当に才能なんではなかろうか・・心底嫌な才能だが・・

 「うちとしては、賑やかでおもろいのは大歓迎やけどなぁ〜♪」

 「ゆうひさんはティオレさんに鍛えられてますしね・・」

 アノ人はいたずらに命を掛けるからな・・・ある意味真雪さんよりたちがわるい。

 「詳しい話は、戻ってからにしないか?そろそろ日が傾いてきた」

 「そうですね、美沙斗さん。そろそろ忍も皆が下ろしているでしょうし」

 「見越していたんだろう?彼女達なら忍さんを下ろしてあげるって」

 「ええ、さすがに忍も今回は反省したでしょうしね」

 「だろうな・・」

 美沙斗さんも苦笑を浮かべる。
 そして丁度皆が戻ってきた。

 「恭ちゃんおかえり〜」

 「おにいちゃん。おかえり」

 「くぅん♪」

 「ああ、ただいま」

 そこに忍がやってくる

 「あ・・あのぉ〜・・」

 「今回は反省したか?」

 「はいぃ・・」

 しゅんと小さくなる忍ちゃん
 世間一般の男性がみたら有無を言わさず許してしまいそうなかわいらしさだが
 そこは高町恭也、そんな常識は通用しない。

 「とにかく、さくらさんにも謝っておけ。通信施設がえらいことになってたぞ」

 「あうううぅ・・了解です」

 「さぁ、皆も今日はもう戻るぞ。そろそろ日も暮れる」

 「「「「はぁ〜い」」」」




 コテージまで戻ったらさくらさんとノエルが出てくる。

 「どうでしたか?」

 「駄目。少しつながった時に修理の部品を先輩達と一緒に持ってきてもらう様に伝えたけど」

 「その後、すぐに切れてしまいました。」

 それだけでも良しとしたほうがいいな。

 「まぁ、それが伝えられただけでも大きいですよ」

 「そうね」

 「さくらぁ〜ごめんね」

 「まったく・・もう少し加減しなさい。色々とね」

 「はぁい・・」

 「もういいから着替えてこい」

 「うん♪」

 食事まで少し時間があるな。
 体を動かすついでに周囲もみておくか。

 「さくらさん?この辺りで場所が開いてるような林かなにかはありませんか?」

 「そうね〜浜辺を左に行ったら雑木林くらいはあるけど・・」

 「有難うございます鍛錬できるか見てきますね」

 「ちょっとここまで来て鍛錬?」

 「ええ、いったんサボると取り返すのが大変なので(苦笑」

 美由希と美沙斗さんにも声をかけとかないとな・・・出来れば耕介さんにも

 「恭ちゃん、どこいくの?」

 「丁度いい、装備をもってこい」

 降りてきた美由希に鍛錬装備を用意させる

 「うう・・さっきまで泳いでたから、少し疲れが・・」

 そう言いながらも用意する美由希。
 御神の剣に関しては美由希が妥協しないのは俺が一番わかっている。

 「ついでに美沙斗さんにも声を掛けといてくれ」

 「はぁ〜い」

 さてと・・・

 「耕介さん、は料理中か・・」

 「後からでいいか」

 美由希と美沙斗さんが降りてきた

 「待たせたね、恭也」

 「おまたせ〜」

 「ああ、ではさくらさん」

 「気をつけてね。行ってらっしゃい」

 「行ってらっしゃいませ」

 ペコリと頭を下げるノエルに手を向けコテージを出る。





 「あれ?恭也達どこいったの?さくら」

 「鍛錬ですって」

 「そっか〜。どんな事してるんだろいつも・・」

 「わからないわ、恭也くん達の使う剣術は普通とはちがうでしょ」

 さくらと忍が話しているところに真雪とフィアッセが降りてくる

 「ん?どうしたんだ?」

 「真雪さんも剣術やるんでしたね?」

 「さくら、いきなりどうしたんだ?」

 「いえ、恭也くん達が鍛錬に行ったんですけど、どんな事をしてるのかしらって」

 「ああ、まぁわたしゃ破門された様なもんで飛び出してきたし」

 「それに家も実践をうたってたが、あいつらの使う剣は草薙なんかとは比べ物にならん正真正銘の実践剣術だしな」

 「あたしの話なんか聞いても参考にならんよ」

 「むしろフィアッセさんのがいいんじゃね〜か?一緒にずっといたんだしな」

 突然自分への矛先にちょっと焦りながも答えるフィアッセ

 「う〜ん、実は詳しく教えてくれないんだよね〜」

 「装備とかの事も見たままのことしか教えてくれないし・・」

 「なるほどね〜この忍ちゃんの頭脳をもってしてもわからないなんて・・」

 そこに真雪が少し真剣な顔で割って入った。


 「ただ、恭也たちの使う御神の剣って奴はそこらの剣術とは訳が違う」

 「古流をうたってる流派とは違って生き抜くため、そして守るためだって聞いた」

 「それと、いかに人を殺めるためのだともな」

 「そんな流派の剣を背負うのは生半可な覚悟じゃできねーもんだ。自分からどんな事をしてるなんて普通に話してくれる物じゃねーよ」

 少し場の暗い空気になったがフィアッセの明るい声ですぐに吹き飛ぶ


 「恭也たちは、その力を悪用しないのはわかってるんだし私たちを守ってくれてるんだからいいんじゃないかな?」

 「信じていられるって言うのは私たちが一番わかってるんだしね♪」

 そう、ただ信じて待つことしか出来ない・・・それもとてもつらい事なんだけど・・
 とフィアッセの声は心の中にだけ響いていた。
   




 忍たちが恭也たちの振るう剣の話をしている頃、
 恭也たちは浜辺を歩いていた。

 「ねぇ、恭ちゃんどうしたの?」

 「なにがだ」

 「だって到着した日はみんなが寝た頃にかるく鍛錬だって恭ちゃんがいってたんだよ?」

 たしかに出発の数日前に美由希にそう伝えてあった。
 
 「美由希、少しあたりの気配をさぐってみろ」

 「え?うん」

 美由希は表情を引き締め集中する

 「どうだ?」

 「う〜ん、どうって言われてもこの辺りにはまったく無いね」

 「うむ・・・ではもう少し範囲をひろげてみろ」

 「・・・・・あれ?」

 美由希も感じたらしい

 「美沙斗さんは気づいていましたね」

 「ああ、だがこれが何かはわからないが」

 「生き物?・・・ううん違う・・もっと気配は薄い・・」

 「そうだ、だが故意に消している気配でもない」

 島に着いた時には感じなかった。
 だが島について、忍の件の後から感じたものだ。

 「初めて島に上がった時、美沙斗さんは何か感じました?」

 「いいや、逆に生き物の気配がまったく無いのに少し驚いたね」

 「自分もです」

 御神の剣を修める者はまず何処にいっても周囲の気配に気を配る
 それは御神の本質のせいでもあるが、御神の剣の初歩中の初歩でもある。
 もっとも美由希はそんな所が少しぬけているのだが・・


 「この気配を感じたのはついさっきからだ、これが何なのかはわからんが」

 「でも何かにしても薄すぎない?動いている物でもないみたいだし」

 「ふ〜む・・・・」

 「美沙斗さんはどう思います?」

 美沙斗さんは自分達よりも鋭い感覚を持っている。
 それは今まで裏の世界で培われたもの・・・
 危機察知にしても俺よりもはるかに高い

 「そうだね・・正直に言うと分からない。ただ今まで感じた事のないもの・・ってくらいか」

 「霊・・って訳でもなさそうですね」

 『霊』と言う言葉に美由希がビクッと反応する。

 「うう・・それって幽霊って事?(泣」 

 「那美さんの仕事を手伝った時に感じたものはこれとはまったく違う物だといっているんだ」

 「恭也も見た事があるのかい?そう言えば神咲の者だったね那美ちゃんや薫さんも」

 「美沙斗さんも?」

 「か〜さんも見た事あるの?(汗」

 「ああ、大陸は広い。そういった者を生業としている者たちとも何回かね・・・」

 「だが恭也と同じくその時に感じたのとは明らかにちがう・・アレも気薄だがもっと圧迫感がある」

 「そうですね・・・自分もそうおもいます。」

 やはり美沙斗さんは鋭い。自分では表現しきれなかった感じを的確に表現している。

 「もう〜〜やめようよ。そんな話(泣」

 美由希は相変わらずこの手の話に弱いな。

 「恐らくそういった類の者ではあるまい。心配するな」

 「それに耕介さん達もいるしな・・・」


 さっき話しておきたかった理由はこれだ。
 御神は剣の通じる相手なら負けない。
 守る大切な者があるときは・・・
 だが、剣の通じない世界がある事を那美さんと知り合う事で知った。
 それに気になる事を昔父さんに聞いた事がある。


 「美沙斗さん?実は昔父さんに『かつて不破の剣はどんな物でも切れた』と聞いた事があったんですが・・・」

 「ああ・・・たしかそんな話も聞いた事はあったな。」

 「え?そうなの?」

 「美由希、御神の正式な流派名をしっているね」

 「うん、勿論『永全不動八門一派 御神真刀流 小太刀二刀術』だよね」

 「そう、そして私が聞いた話だとかつて御神と同じ血を引く流派は幾つかあった」

 「それって『永全不動八門』って所の事?か〜さん」

 「そうだよ、でも現在残ってるのは御神、恭也の不破。だが遠い昔同門に『神咲』の様な技を使う流派もあったらしい」

 「そして御神を守る流派として不破にいくつか技を伝えたとも聞く」

 やはり父さんの言ってたのはその事らしい。
 父さんはすでに失われた業が不破にはあるとも言っていた。

 「でも恭ちゃん、もし本当にそんなのが在ったとしてだよ、技にしろ奥義にしろ復活なんて出来ないよね?」

 「そうだな、その技、奥義、それを伝える者が居なければ不可能だ。元の流派も遠い昔に無いからな」

 「私が聞いたこの話も『永全不動八門』が全て健在の頃の事なんだろうから遠い過去の話だろう。」


 ふむ・・・・やはり今感じている正体不明の気配の事を耕介さんにも伝えといたほうがいいな。
 くやしいが剣の通じない相手だったら俺たちでは勝てない。
 もっともこの気配が危険なものでこちらに敵意を持っていたら・・の話だが。


 「美沙斗さん、もどったら耕介さんに気配の事を伝えておきます。万が一のために」

 「ああ、彼ももしかしたら気が付いてるかもしれない。彼も強い」

 「ですね。剣技ではまだ経験、実践不足は否めないですけど『それとは別』の力はすごいです。」

 「神咲で天才と言われているのはわかりますよ、手合わせして感じます。もし霊力ありでなら神速を使っても勝てるかどうか・・・」

 「とにかく伝えておいたほうがいいな。明日には薫君もくるのだろう?」

 「そう聞いてます」

 薫さんも来るのだから二人がそろえばなお心強い。
 俺なんかと違い一流の剣士で神咲一灯流の現当代
 そして神咲当代みずから認める天才の耕介さん
 もし『何か』が起きていて大切な者たちに危害を加えようとするのなら・・・・

 「恭也、私達も御神の戦い方なら出来る、それにもし剣の通じぬ相手なら耕介君たちにまかせればいいさ」

 「そうだよ、恭ちゃんそれにまだ危険って決まったわけじゃないんだしね」

 「ああ・・そうだな」

 何時もの時計に目を移すともう少し夕食まで時間がありそうだ
 
 「美沙斗さん、深夜の鍛錬は耕介さんに話をするので休みにしときましょう」

 「いいよ、じゃ今のうちにアレをやっておこうか」

 「了解。では自分が一人で」

 「美由希、今日は美沙斗さんとだ」

 「はい」

 二人は先に雑木林の中に消える。
 また風がでてきたな。






 「お兄ちゃん達おそいね」

 「そうね〜、でもまだ夕食までには時間あるじゃないなのは♪」

 「うん、そうだけど」

 「んじゃ帰ってくるまで、この桃子お母さんと一緒にケーキつくってようか」

 「うん♪」

 「おいしいケーキ作っておどろかせちゃいましょ♪♪」

 そんな親子のやり取りを見ているメンバーの中でリスティはタバコに火をつけず外をボーっと眺めていた。

 「どうしたの?リスティ」

 「ん?知佳なんでもないよ」

 「なんや、深刻な顔してどないしたんや?」

 「ゆうひまで、だからなんでもないさ」

 ???な知佳たち

 「坊主本人がそう言ってんだしなんでもねーんだろ」

 「ならいいけど」

 「そう言えば、知佳は料理しないの?」

 「うん、厨房いっぱいだから(苦笑」

 今現在、耕介、晶、レン達の料理の鉄人組となのは、桃子のお菓子組
 そしてアイリーンとフィアッセの盛り付けお手伝い組で厨房はごった返していた。
 ちなみに那美と愛は料理を手伝おうとするのだが耕介に必死に止められていたりする。

 「このクッキーおいしいのだ♪」

 「うん、おいしいね♪」

 美緒と唯子はお菓子をたべるのに忙しそうだ。

 「鷹城さん、夕食たべれなくなるわよ・・・」

 「へーきへーき、瞳さんもどう?♪」

 「遠慮しとくわ・・」

 「ああ、妹〜ちょっと」

 「何?リスティ」

 「いいからこっちきなよ」

 丁度リビングに入ったフィリスを連れ二人して廊下に消えていくのを真雪は少し目を細めて
 知佳はきょとんとながめていた。




 「ここには薬とかたくさんあった?」

 「???・・・いきなりどうしたの?」

 「いんや、チョットね」

 「あのね、リスティ何かあったんでしょ?一人でいつもいつも抱え込んで・・・」

 「でたな小姑フィリスめ」

 「茶化さないで。それに私達はどんな形であれ正真正銘の姉妹でしょ・・そんな顔する事なら隠さないで」

 「・・・・・わかったよ、元々フィリスには話しておくつもりだったし」

 少し間を空けゆっくり話し出す

 「フィリス、この島どう思う?」

 「どうって少し寂しい感じかな・・生き物がいないって言うか・・」

 「そう、でも今出来る範囲でいいから羽でさぐってみな」

 言われるまま羽を広げる


 キィィィィ・・・


 甲高い金属音を少し発しながらひらく羽
 フィリスのトライウィングス.r

 「あ・・・もしかしてこれの事?」

 「そう・・・そいつが何なのかが分からない」

 「探ってみたの?」

 「当然、でも・・機械に感じるけど違う。かといって生き物でもない」

 動いてる?いや・・ちがうか余りに反応の薄すぎる

 「私が感じられる範囲だと2.3個ってところかしら」

 「ああ、島全体だとかるく2、30はある」

 「そんなに・・・一体何かしら」

 「わからない。でも恭也たちも感じたみたいだね気配って奴をさ」

 「読んだの・・・?」

 ここで言う「読んだ」というのは頭の中の考えと言う奴だ

 「いんや、さっき美沙斗と美由希とでかけたろ?たぶんこの事だよ」

 「・・・・・危なそう?」

 「わからない・・・・・でも、注意はしといてくれ。ここには大切な人たちしかいないからね」

 昔のリスティからは考えられない『大切な人たち』と言う言葉にフィリスの表情もゆるむ。

 「ええ・・わかったわ」

 「ふん・・・やっぱり小姑だ。変なところばかりに気を使ってさ」

 「くすくす・・いい事よ♪」

 ふとリスティがフィリスにたずねる

 「そう言えば忍たちは?」

 「今、通信機とにらめっこ中みたいだけど?」

 「そうか、外部と連絡が取れないのは痛いな・・・・」

 「なにも、危険て決まったわけじゃないでしょ」

 今度はフィリスがリスティにたずねる

 「恭也くんたちは?」

 「なにやら特訓中みたいだね〜まぁあの3人なら心配いらないさ」

 「そうね」

 さっきよりも少し軽くなった空気を感じ二人はリビングへともどっていった。





 少し風の強くなった孤島で夜はふけていく。







 

 第7話

 騒がしい夏の夜

 へ続く







 ひよひよでございます


 第6話終了〜

 少し補足を



 『永全不動八門』の設定は昔オフィシャルで

 少し触っていたとの話聞いたので

 一応オリジナルではないとしておきます。

 と言ってもその話も自分のHPがあった頃

 きいた話で記憶があいまいです(汗


 ですのでもし「ちがうぞ!」って時には

 すいませぬがオリジナル設定になるかも(泣

 申し訳ないですが、よろしくです・・



 でわでわ7話でまた〜



ぬぬぬぬ。島に何者かの気配。
美姫 「少しシリアスな展開を見せ始めてきたわね」
うんうん。益々もって楽しみが増えていく〜。
美姫 「果たして、謎の気配とは一体?」
それじゃあ、次回を楽しみに。
美姫 「待ってま〜〜す」



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