『トラハ的な日常1・2・3』




 
設定は恭也が大学2年いわゆるALL ENDのご都合主義です。
トラはシリーズの1.2.3混在SSって事でそれでもいいよって人は進めてくださいませ。




    第1話
  夏は海?そしてサイは投げられた






 「ふむ・・・・・」

 「ここは・・・ほう・・」

 「恭也・・・・」

 「恭ちゃん・・・」

 ある日曜の昼下がり、目の前に置かれた盆栽と手に持っている盆栽雑誌を見比べながらぶつぶつとつぶやいている青年が一人。
 言わずと知れたかの高町恭也である。
 高町家の姉的存在や不肖の弟子そして最近したたかに成長したといわれる末っ子なのは。
 彼女達が声をそろえて恭也に言う・・
 朴念仁。愚鈍。はたまたお爺ちゃん。

 「お兄ちゃん・・こんな天気の良い日に・・」

 すでに疲れさえ見せる末っ子なのは。

 「恭ちゃん・・・どこから如何見てもお爺ちゃんだよ・・」

 これが聞こえれば鍛錬の時どうなるか・・分っていながらも呟いてしまう高町美由希。

 「恭也・・たのしい?」

 高町家の姉的フィアッセ・クリステラは盆栽をどうやら少し勘違いしているようである。
 3人が揃って考えてる事・・それは・・

 (お兄ちゃん、盆栽なんかしてるならなのはと何処か遊びに・・)

 (恭ちゃん、こんな天気のいい日なんだから私と・・)

 (恭也、折角の晴れた休みなのに、もったいないよ・・)

 であって3人の視線に気づいた恭也は。
 
 「ん?どうかしたか?」

 「恭ちゃん・・やっぱり本当はお爺ちゃんなんじゃ・・」

 「ほう・・・美由希よ・・・良く言った、今晩の鍛錬で証明してやらねばならぬ様だな・・」

 「へ・・・な・・ナニヲカナ・・・(汗 」

 「もう!恭也!こんな事してたらカビが生えちゃうよ!」

 「そうだよ、お兄ちゃん。折角の日曜日それにこんなに天気が良いんだから何処か行こーよー」

 「む・・・・・まだ盆末の手入れが・・・」 

 「問答無用です!お兄ちゃんなのは遊園地にいきたいなぁ〜〜」

 「いや・・だから盆栽が・・それに日曜も何も今は夏休みだろう・・そんなに急いで何処かに行く事もあるまい・・」 

 どうしても自分の数少ない趣味に理解を示してくれない家族達。
 しかしそんな恭也になのはは、追い討ちをかける。



 「むぅ〜〜〜〜〜お兄ちゃん・・なのはの事嫌い???・・」

 「なのはよ・・そんな事一言も言ってないんだが・・」

 「おにいちゃぁ〜ん・・・」

 少し上目使いがミソである・・(笑

 「うむぅ・・・・だが遊園地はカンベンしてくれ・・どうにも自分にはあわんのでな・・」

 「(ニヤソ・・)うん!それじゃあ〜〜海〜〜〜!」

 「ね・・ねぇ・・フィアッセ・・なのは今か〜さん見たいな顔でわらったような・・」

 「うん・・・桃子そっくりだったよね・・美由希・・」

 どうやら本当になのはは、したたかに桃子の血を受け継いだようであった・・。
 美由希とフィアッセはそんななのはに、少し背筋に悪寒を感じたとか感じなかったとか・・



 そんな会話がされた日の夕飯時、高町家ではなのはの「海にいきたい〜」との事で盛り上がっていた。
 もちろん美由希や恭也達の母、高町桃子はすでにノリノリである。

 「いいわねぇ〜〜〜海なんて何時以来かしら〜〜〜〜♪」

 「だよねぇ〜〜おか〜さん♪」

 「高町母・・そしてなのはよ・・まだ行くと言った訳ではないのだが・・」

 「なによ・・あんた、いつもいつも夏休みになったら盆栽・・山ごもり・・鍛錬・・」

 「そんなんで、青春の無駄遣いしてるって気が付いてないとでも言う訳?」

 「それに、必死に働いて働いて身も心もボロボロになってる桃子さんに少しは休息を・・って気持ちはないの!」

 「ああ・・・士郎さん・・私、息子にこんな冷たい仕打ちを・・・よよよよ〜〜・・」


 さめざめと嘘泣きをしながらも、チラチラと恭也の顔を盗み見る高町母。
 そして業とらしく桃子に慰めの言葉を掛けるなのは。


 「おか〜さん・・可哀想・・おにいちゃん!」

 「なのははいい子ねぇ〜〜しくしく・・」

 「むぅ・・なんだか凄く俺が悪者にされていると思うんだが・・・理不尽だ・・」

 「師匠・・(苦笑)」

 「お師匠も、この二人にはかなわんしなぁ〜・・(苦笑)」

 「恭ちゃんもいい加減なのはには適わないって認めたらいいのに・・(ぼそ・・)」

 「・・・・ふん」びしっ

 「あいた!・・うぅ〜〜お箸を飛針代わりに投げるなんて・・・・そんな兄を持った私は悲しんでいいやら・・旅立っていいやら・・」

 「美由希も相変わらずだねぇ〜(苦笑)」

 「そんな事より今週の月曜からの3泊4日、海で決定よ♪」

 すでに桃子の中では月曜から海で・・と決定されているようである。
 ちなみに恭也は「実に理不尽だ・・」と諦めの境地にむかいつつあった。



 「でも桃子、こんな時期から宿泊出来る場所なんて取れる?」

 「・・・恭也、たのむわよ♪」

 「無理だ」

 「・・・お兄ちゃん、まかせたよ♪」

 「だから無理だ・・」

そんなやり取りをしていると、、

 「だいじょぉ〜ぶ!!!」

 突然庭先から声がした・・・
 恭也の額に一滴の冷たい汗がつたう・・。


 「そんな時はこの忍ちゃんにお・ま・か・せ♪」

 「忍・・・・・」

 「いや〜〜〜こんな事もあろうかと、盗聴・・ごほっごほっ・・もとい愛のテレパシーを習得しといてよかったわ〜♪」

 何か聞き捨てならない事をのたまった様な・・・。
 普通に庭先から上がってくる月村忍。その後ろにはメイド服をきたチョット表情が乏しい美女も一緒だ。

 「恭也様、夜分おそれいります。」

 「ノエルもか・・」

 もはや頭痛すら感じる様な気分で恭也は暴走ぎみなクラスメートを見据えた。

 「それより忍・・盗聴と言わなかった・・・」

 「恭也!内縁の妻には全部お見通しなんだよ♪」

 「いや、たしかに盗聴と・・」

 「桃子さん、忍ちゃんにおまかせだよ♪」

 「忍・・チョットそこに正座しろ・・オイ」
  
 忍はすでに暴走寸前だった。(笑


 「有り難う〜忍ちゃん♪忍ちゃんみたいな親友がいて恭也も幸せ者ね〜♪」

 「美由希・・フィアッセ・・笑いすぎだ・・」

 「だって、恭也・・こうなったら諦めるしか・・くっくっく・・」

 「師匠〜もう止まらないですよ」

 「おサルの言うとおりですぅ〜桃子さん・なのちゃん・忍さん・この3人が揃ったらお師匠に勝ち目は(苦笑」

 たしかに晶やレンの言う通りすでになのはと桃子は水着を如何するかで盛り上がっている。
 すでにサイは投げられている様だ。こうなったら既に止めようがなのもお約束である・・(笑

 「恭也様・・忍お嬢様はすでに手遅れかと・・」

 「ノエル・・・はぁ・・」

 少しこめかみを抑え訝しげな顔をする恭也。
 そんな恭也の表情に「・・・ポッ」っと何処となく頬を赤く染めるノエルである・・
 
 
 「はぁ〜〜・・か〜さん仕事はいいのか?・・」

 「だ〜いじょうぶよ、たまには息抜きしないといくら桃子さんだってまいっちゃうわ♪」

 「おか〜さん、水着買いにいこ〜よ〜」

 美由希達も水着の事や海で恭也と・・など心は旅立ってしまっている。

 「あぁ〜もしもしさくら?あなたの可愛い姪♪忍ちゃんです。ちょっと頼みたい事あるんだけど〜」

 (ん?またさくらさんに頼むのか・・)

 以前花見の場所も忍の叔母、といっても見た目はとても綺麗で落ち着いた美女。とても叔母さんなどとは呼べない
 さくらであるが、また頼むとなればお礼も言っておかねばな・・と忍に電話を代わってくれと頼む恭也。


 「もしもし、こんばんわ高町恭也です。お久しぶりです。」

 「こんばんわ、いつも忍がお世話になってる様ね。ありがとう。」
 
 優しげな口調、忍を想う気持ちがつたわってくるようで思わず頬がゆるむ。

 「こちらこそ・・今回も家の連中がお世話になる様で有り難うございます」

 「いいのよ♪それより私も参加させて貰ってかまわないかしら?♪」

 「さくらさんもですか?勿論ですよなのは達も喜ぶとおもいます」

 「あら・恭也君は喜んでくれないの?・・くすくす」

 「いや・・自分もうれしいですよ(汗」

 「ありがと♪そうそう忍に伝えといて・・人数は多くても平気よって」

 「分りましたそれでは」


 どうも恭也は相変わらず年上に弱いようで、いつもさくらにはからかわれてるみたいである。
 まぁさくらも恭也に好意を寄せていると言うのもあるのだろうが。

 「忍、さくらさんから伝言だ。「人数は多くても構わない」との事だ。」

 「了解〜それじゃあ那美も呼ぼうか♪」

 「那美さんか、さざなみ寮に電話しておくか・・」




 しかし、恭也はさざなみ寮と言う事で言い知れぬ嫌な予感がしていた・・
 そう・・人外魔境さざなみ寮・そこに君臨するは海鳴の暴君・・または吹き荒れる黒い嵐。
 セクハラ大魔王こと仁村真雪その人である。そしてもう一人、真雪の後継者とも呼ばれるリスティ・槙原
 この二人に関われば見るのはぬるくても宴会と言う名の生き地獄。

 「むぅ・・・」

 「どうしたの?恭也?」

 「いや・・なんでもない忍・・」

 「?・・・」

 「恭ちゃんは真雪さんとかがでないかって心配なんだよ♪」

 「やかましい・・」

 ようやく覚悟を決めさざなみ寮に電話する恭也。

 プルルル・・・ガチャ

 「はいもしもし」

 「もしもし、夜分おそくにすいません高町と申しますが」

 「高町?ああ〜高町さん・・もしかして恭也君?」

 「はい、え〜と・・」

 「ああ・・ごめんね知佳です」

 「知佳さん?ああ・・帰ってらっしゃったんですか」

 「うん♪昨日ねお久しぶり♪」

 電話に出たのは以外にも真雪の妹、仁村知佳であった。普段はアメリカにある国際救助隊で勤務しており
 恭也も数回合った事があるのである。

 「え〜とそれでどうしたの?」

 「あ、すいませんが那美さんいらっしゃいますか?」

 「那美ちゃん?今仕事に行ってるみたいだけど・・」

 「そうですか・・」

 「どうかしたのかな?」

 (ふむ・・どうするか・・早めに伝えといたほうがいいか・・)

 「すいませんが那美さんに伝言よろしいでしょうか・・」

 「私でいいなら、何かな?」

 「今度、家族達と月村やさくらさんも合わせて海に行く事になったんですがそのお誘いに・・」

 「海か〜〜いいねぇ〜〜うん!分った帰ったら電話するようにつたえとくよ♪」

 「有り難うございます」

 「う〜〜ん・・」

 伝える事は伝えたはず・・と???な恭也。


 「あの・・どうかしましたか?」

 「へ・・ううん・・えっとね私も行っていいかな??(苦笑」

 「え?知佳さんもですか?・・勿論こちらは構いませんが・・仕事のほうは?」

 「大丈夫♪もう暫くこっちに居るから。ありがとう〜♪」

 「いえ・・こちらこそ。では、那美さんに伝言よろしくお願いします」

 「了解です♪」
 
 どうやら本当に大所帯での海となりそうであった。
 (しかし知佳さんもか、まてよ・・真雪さんがなんと言うか・・汗)


 「どうしたの?恭也」

 「ん?フィアッセ、知佳さんも来る事になった・・」

 「OH 知佳も?」

 「ああ・・しかし真雪さんがなんと言うか・・・」

 「あはは・・真雪、知佳に関してはすごく過保護だからね〜」

 「・・・・」

 「忍?どうかしたか?」

 「・・え?う・・ううんなんでもないよ♪」

 「?・・」

 (もしかして知佳さんも恭也のこと・・・・どうなんだろ・・)


 そんな忍に訝しげな???な恭也。
 まぁ歩く朴念仁。犯罪的に鈍感な恭也である・・歩いているだけでも
 数多くの女性を落とす女性攻略の必需品そんな彼であるから、忍のそんな思いに気づくはずもなく。
 普通に燻りつつある火種にガソリンをタンクごと放り込む・・(笑

 「うむ・・・海か・・海釣り用の釣具でも明日買いにいくか・・」

 その言葉にいち早く反応したのはなのはだ。

 「お兄ちゃん♪一緒に買い物に・・」

 しかし他のメンバーも黙ってる筈もなく・・

 「チョットまったなのちゃん♪恭也は内縁の妻こと忍ちゃんと・・・」

 「忍こそまちなさい。恭也♪私といくんだよねぇ〜水着えらび♪」

 「フィアッセも忍さんも何いってるんだろうねぇ〜♪恭ちゃんは私とに決まってるじゃない」

 ニヤリと何処か棘のある視線を忍たちに投げかけながら、小刀を携帯してるであろう懐に手をのばす・・
 すでに忍は瞳の色が赤みを帯び・・フィアッセの回りには甲高い金属音がなり響いている・・
 なのはは・・ブツブツと右手に握ったステッキに・・(笑
 そんな4人に少し怯えつつもけん制しあう晶とレン・・

 
 「「「「「私といくんだよねぇ〜〜」」」」」」


 と迫られ少し引きつつ・・

 「な・・なにを言っている・・・誰も水着を買いに行くとは・・・それに女性用の水着売り場に俺が入れるわけ・・」

 「皆でいってくればよかろう・・・・」

 相変わらずの愚鈍振りである・・(笑

 「・・・本気?(苦笑」

 「高町母・・・・何が言いたい・・・・」

 「べつにぃ〜・・あぁ〜〜海なんて久しぶり♪楽しみだわぁ〜♪」

 「むぅ・・・・」



 こうして高町家の夜は深けていった。
 どうなる!高町恭也、明日はどっちだ(笑






 第2話
 そしてさざなみ寮へ・・海編
 に続く。









ひよひよともうします。
むぅ・・・PC整理してたら懐かしいSSが・・笑
当時とらは1・2・3の混在したSSが少なかった頃書いたSSです・・w
なんと幼稚な文書・・・
お恥ずかしい限りです;
一応続き物で続編もすでに出来ているのですが手直しもしたいので・・(汗
ご感想よろしければお願いします〜



おおー!皆で海ですか。
次回が、次回が〜。青い空、白い波。
そして、美少女たちの水着!水着!水着!
美姫 「とりあえず、落ち着け!」
ぐおっ!なかなか痛烈な一撃だな。
美姫 「はいはい。さて、次回はさざなみ寮のお話なのでしょうかね」
楽しみ〜♪楽しみ〜♪
美姫 「はいはい。まだ水着は出てこないと思うけどね」
……それでも楽しみ〜♪
美姫 「はいはい。この水着好きめ」
違うぞ!別に水着が好きな訳では。
それに、どちらかと言えば、メイドの方が…
美姫 「まさか、そんな趣味が…」
どんな趣味じゃ!…コホン。
とまあ、兎も角、次回が楽しみ〜。
美姫 「はいはい。それはもう分かったってば。という訳で、次回を待ってますね」
楽しみ〜。



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