魔法詩篇とらいあるぐるハートA's

第一話
始まりは弟子入りなの!?

会話設定

「」=人間の会話
【】=場所、他
『』=回想
≪≫=ディバイス英語、もしくはドイツ語
<>=ディバイス日本語
[]=
()=人間思っていること









それは詩文の断片のように……


 それは詩文の断片のように……



  それは詩文の断片のように……

浮かび上がる悲愴


 浮かび上がる悲愴



  浮かび上がる悲愴

断ち切れない悲しみの連鎖


 断ち切れない悲しみの連鎖



  断ち切れない悲しみの連鎖







 君の笑顔のために






 たとえ、今の自分が無くなっても






魔法詩篇とらいあるぐるハートA's はじまります。













【海鳴市桜台? 05:00】



『わたし、高町なのは。私立聖祥付属大小学校に通う小学3年生。得意な教科は理数系。苦手なのは国語かな。あと、運動も。ユーノ
君に出会って、「魔法少女」というものに初めてなって、ジュエルシードを巡るたくさんの人々の思いや、事件、わたしは、困ってい
る人を助けてあげられる力があるのならと、がんばってきた』


「なのは、はじめるぞ」

「うん、レイジングハートカウントお願い」

<もちろんです>


「永き輪廻より舞い降りる、現実を受け止め断たれた心、戦えぬ我、護れぬ我、無力に嘆く我に力を!! 断章!! set up!!」

 恭也は、ディバイスの起動パスワードを唱える。ディバイスは、どうやら扇子の形をしている。

≪standing by ready≫



≪SET UP≫


「では、はじめましょうか」

 恭也は、いつもの漆黒の姿から、どう見ても女性にしか見えない姿になっていた。口調も、少し声を高くしたハスキーボイスに変っ
ている。髪は深紅で膝まで届くほど長く、所々に宝石の付いた髪留めで髪を束ねている。バリアジャケットは、どう見ても桃色を基調
として白を織り交ぜた和服にしか見えなかった。

「ディバインシュータコントロールショット。スフィア5個ね」

「はい」

≪ready≫



≪start≫







【・鍛練内容
  ・ディバインシューターコントロールショット
    スフィア5個 カウント100

  ・ディバインシューターフルパワー
    5分      】







 この鍛錬の目標は、複数のスフィアを思うように動かせる操作性と精密性を向上させること。また、砲撃魔導士という魔力燃費が悪
いなのはの攻撃魔法の中で唯一魔力消費が少ない魔法に着目した恭也は、戦術の幅を広げるために今回の鍛練を組んだ。

 無論、恭也もただなのはの鍛練を見ているわけではない。

 恭也は御神流の中でも、力とスピードで剣や暗器を主体に相手を倒すタイプで、美由希が突き主体なのに対し、恭也は斬りが主体で
ある。

 なぜ、恭也の戦闘スタイルについて話しているのかと言うと、御神流のスタイルと魔導士の戦闘スタイルが全く違うからだ。

 無論、今はここにはいないユーノに、ディバイスについては説明を受けた恭也だが、断章が出したバリアジャケットと戦闘形体の断
章は、なぜか防御を主体としていて、攻撃手段のまったくないものだった。

 その理由はのちに気付いたのだが、ここでは明記しない。

 なのはの鍛練にはレイジングハートの補整は意味がないので、レイジングハートは、スフィアが接触した回数をカウントしてもらっ
ていた。

 恭也のバリアジャケットは一見はただの和服だが、その防御性能はなのはやフェイト、クロノのバリアジャケットよりも断然高い。

 鎧のようなスピードを殺すものでなかったのが幸いであった。

 だが、動きが制限されることに代わりはない。

 スピードは落ち、本来の間合いも収縮する。そのための断章なのかもしれない。

 恭也の目的は、主にこの魔導士での戦闘になれることだ。

≪YU≫



 スフィアが、前後左右上下、四次元方向から恭也に迫ってくる。それを恭也は必要最低限の動きで避けるか扇子で逸らすしかしてい
ない。

≪Y[≫



(まだ、5個のスフィアのコントロールは早かったか?)

 恭也の思考まではさすがに女になっているわけではなかった。

≪ZW≫



 恭也は考える、本来、すべてのスフィアは紙一重で避けるのは危険だ。術者に制御され、軌道をすぐに変えられてしまうからだ。そ
れが、今は十回の攻撃に対して6〜8回の軌道を変えてくる攻撃が来る。つまり、完璧に制御できるなのはのスフィアの数は最高でも
4個である。それから細部の制御も考えると3個のスフィアの制御が無難な数。自動追尾の機能をつけたところで、紙一重でかわされ
るとすぐには対応できないが、残り2個のスフィアは、自動追尾と同じ位の制御、また、それよりすこし良いくらいの精度しかもって
いない。

≪ONE HUNDRED≫



「ラスト!!」

 そのなのはの声と同時にスフィアが螺旋を描き、稲妻のようにジグザグに動き、あるいは速度を変化させ、上下左右真正面から迫っ
てくる。

≪THUNDER EDGE≫



 断章の声と同時に恭也が断章を閉じる。すると先端から黄色い魔力光の刄が形成された。

−パキ、パキ、パキ−

 スフィアは粉々に砕けていた。

 恭也が何をやったのかというと、高速の突きを何度もスフィアに放っていたのである。しかも多方向に。


「次、ディバインシュータコントフルパワー5分間ね」

「はい」

≪ready start≫


 弾丸とほぼ同等な速度で迫ってくるスフィアを回避しながら恭也は思考する。

(数が増えた分だけ直線的な動きが大きくて助かるが....さすがに躱しきれないか)

 恭也のバリアジャケットは、もともと防御力の高いものだが、その維持にもなのは達のバリアジャケットより魔力を必要とする。だ
から、いくら防御力が高くても避けるに越したことはない。

 スフィアの数とスピードに対応できなくなってきた恭也の背後にスフィアが迫った瞬間。

≪CAST OFF≫


 断章の声と同時に、恭也のバリアジャケットが中を舞った。

 バリアジャケットを脱いだ恭也は、脱ぐ前でさえなのはにはたまにその手の動きが追えなかったのだが、今はその姿さえ目に追えな
くなっている。
 そして、すべてのスフィアを破壊すると同時に早朝の鍛練は終了となった。

「時間ね、出ましょう」

 ストレッチをしている時、恭也となのはの姿が霧のように見えた。

「はい」

 なのはと恭也は桜台のカーブミラーのそばまで来ると、飛び上がりミラーに突っ込んだ。

≪MISSING OUT≫



 断章の声の後になのはが見たのは、いつもの漆黒の格好をした姿に戻る恭也だった。

「まず初めに、もう少し魔力の伝達をスムーズにすること。いくら魔力量が膨大であろうと有限であることはかわりないからな」

「はい」

「次に、まだスフィアの数を増やすのは早かったみたいだ。四個でやった時より全体の制御が疎かになっている。もう少し慣れてから
の方がいいだろうな」


「はい」

『お兄ちゃんがわたしの魔法の訓練に付き合ってくれるのも、後一ヵ月位。お兄ちゃんの魔力適性は全くないってくらいなんだけど、
断章がもともともっていた魔力のおかげで魔法を使えるみたい。エイミィさんがどうにか断章に魔力をもう一度溜め込めないかと奮闘
しているけど、無理みたい』

「....ねぇお兄ちゃん」

「なんだ、なのは」

「いつになったら御神流教えてくれるの?」

「.....」

「....なのは」

「!?」

「....わかった」


「お前が学びたいのは、美由希の振るう小太刀二刀御神流か?それとも俺が振るう小太刀二刀御神不破流か?....」

「正直言って、なのはの砲撃魔導士としての訓練ならなのは一人でできるし、後は実戦で力を付けるしかない」

「わたしは....お兄ちゃんの『』を学びたいの」










『もう、なのは達をすぐ側で見守れるのはあとわずか。』

『魔法が使えなくなってからも、なのは達の側にいられる程管理局の仕事は甘くない。』

『だが、もし……』

『もし、なのは達にはどうにもならないような危機が訪れたら……』

『次回、魔法詩篇とらいあんぐるハートA's 「砕かれたディーヴァ」に ドライブ、イグニッション』





緋翔さん、投稿ありがとうございます。
美姫 「ございます〜」
恭也がデバイスを持っているな。
美姫 「しかも、変身よ変身」
おまけに、なのはは御神流を習いたいみたいだし。
美姫 「一体、これからどうなるのかしらね」
次回も待っていますね。
美姫 「待ってま〜す」



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